ゴム週間展望=一段安、チャートもファンダメンタルズも買い材料が乏しい

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [11月18日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         11月11日〜11月15日
<国内>         始 値     高 値       安 値      帳入値     前週比
 25年04月限      367.6      370.2(11)    340.0(14)    350.0      - 17.3
 RSS先限      367.0      367.0(11)    348.0(13)     352.6      - 18.4
 TSR20    307.0      307.0(11)    294.0(14)    296.0      - 16.0
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 156.18円  前週末比 3.48 円安
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【前週までのレビュー】中国政府への政策期待から急反発となっているが、反動安には
注意したいとした。
【買い材料に乏しい】
 JPXゴムRSS3号は、下値模索場面となっている。期待された中国の景気刺激策
も効果は限定的となりそうだ。値動きをみると、強い戻りが入るが、いずれも売り叩か
れている。チャートは綺麗なダウントレンドだ。季節的にもファンダメンタルズからの
買い材料が乏しい。目先、もう一段の下値を試す可能性があるとみる。ただ、高値から
すでに約77円も下げており、底練りからの反発には警戒しておきたい。
【タイオファーは82バーツ台まで回復だが】
 産地価格の下落が一服となっている。タイ南部の天然ゴム主要積み出し港のソンクラ
渡しのオファー価格は、10月2日に96.12バーツの高値を付けて以降、下落を開
始し、11月6日には7月31日以来の低水準となる78.75バーツまで下落した。
ただ、その後は82バーツ台まで戻したが、15日は81バーツ台に沈んでいる。
 産地は、現在、増産期となっている。通常ならば、オファーは下落しやすい時期だ。
今年はラニーニャ現象の影響から根腐れや樹液採取作業(タッピング)障害が発生する
懸念はある。ただ、同懸念については、9月から10月初頭の上昇で織り込んだとみ
る。目先は、再度、80バーツを割り込む可能性が高いとみる。
【中国景気は底入れには時間が掛かるか】
 15日、中国国家統計局は10月の鉱工業生産を発表し、前年同月を5.3%上昇と
なった。伸び率は9月の5.4%から小幅に減速した。また、同時に発表された、10
月の小売売上高は、同4.8%増となり、前月の3.2%増から拡大している。
一方、1−10月の不動産開発投資は、前年同期比で10.3%減となっており、依然
として不動産不況は継続しているようだ。中国の景気減速は、不動産バブルの崩壊が要
因であり、不動産市況が好転の兆しが見えるまでは、景気の下振れ懸念は続きそうだ。
【上海ゴムはレンジ取引継続か】
 上海ゴム中心限月の1月限は、1万7500〜1万8500元前後でのレンジ相場と
なっている。8日の午前中に1万8730元まで一時上昇したが、これがダマシとな
り、15日の午前中には1万7520元まで下落している。1万7500元付近では、
押し目買い意欲が強いので、目先、レンジ継続の可能性がありそうだ。ただ、産地が増
産期にあることから、天然ゴムを積極的に買い進む状況ではない。レンジからの下放れ
に注意はしたい。
【東京ゴム活発限月の4月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の4月限は、大きく水準を引き下げた。10月からの値動
きをみると、産地高を背景に10月1日に415.0円まで上昇後、4日に399.7
円まで押したが、400円割れは買い拾われ、8日に一代の高値となる417.2円ま
で一時上昇した。しかし、同日の終値が400円を下回ると、産地価格の下落も相まっ
て、10月25日に節目の380円を割り込み、5日には345.0円まで下落した。
8日に379.9円まで戻したが、380円手前で戻り売りを浴びると、11月14日
に一時340.0円まで下落した。15日は自律反発をみせているが、355円の手前
では、上値が重くなっている。
 続落となれば、14日の安値340.0円がポイントになる。同水準を下抜くと、特
に目立った支持線が見当たらないことから、節目の335円や330円を意識した展開
になる。この価格帯は、取組高が少ないとみられるため、下げが加速する可能性がある
ので注意したい。
 一方、反発なれば、節目の355円付近が最初の関門になりそうだ。同水準を上抜く
と、10月8日の高値417.2円から11月45日の安値340.0円まで下落の3
8.2%戻しの水準がある370円付近がポイントにりそうだ。同水準を上抜くと、節
目の380円を視野に入れた展開になる。
【今週の注目ポイント】
 産地価格に注目したい。タイオファーは、10月2日を高値として、ジリジリと水準
を引き下げて、一時節目の80バーツも下抜いた。季節的には、産地は増産期であり、
再度、オファーが下落するようなら、JPXゴムRSS3号は期近主導で一段安となり
そうだ。
【相場予想レンジ】
 11月18〜22日のJPXゴムRSS3号4月限の中心レンジ予想は330〜
370円。テクニカルの支持線は340.0円(11月14日安値)、抵抗線は35
5.0円(節目)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
18日 機械受注 2024年9月(内閣府)
    ユーロ圏貿易収支 2024年9月(EUROSTAT)
    対米証券投資 2024年9月(財務省)
19日 ユーロ圏国際収支 2024年9月(ECB)
    ユーロ圏消費者物価指数 2024年10月確報(EUROSTAT)
    米住宅着工・許可件数 2024年10月(商務省)
20日 貿易収支 2024年10月速報(財務省)
    ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
    独生産者物価指数 2024年10月(連邦統計庁)
    英消費者物価指数 2024年10月(国立統計局)
    英生産者物価指数 2024年10月(国立統計局)
21日 政策金利公表(南アフリカ準備銀行)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米製造業景況指数 2024年11月(フィラデルフィア連銀)
    米中古住宅販売統計 2024年10月(全米不動産協会)
22日 消費者物価指数 2024年10月(総務省)
    上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    独国内総生産 2024年7-9月期確報(連邦統計庁)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年11月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年11月速報(Markit)
    英小売売上高 2024年10月(国立統計局)
    米消費者信頼感指数 2024年11月確報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
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