ゴム週間展望=産地価格の軟化で下攻め再開か、4月限は340円がポイント

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [11月25日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         11月18日〜11月22日
<国内>         始 値     高 値       安 値      帳入値     前週比
 25年04月限      348.0      370.4(22)    342.8(18)    356.5      +  6.5
 RSS先限      352.6      363.0(21)    352.6(18)     361.0      +  8.4
 TSR20    296.0      303.0(20)    290.0(18)    296.0         0.0
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 154.91円  前週末比 1.27 円高
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【前週までのレビュー】買い材料に乏しく、一段安の可能性があるとみる。ただ、高値
から約77円も下落しているため、底練りから反発には警戒したいとした。
【直近の急反発は内部要因主導か】
 JPXゴムRSS3号は、急反発となった。活発限月の4月限は、22日に370.
4円まで一時上昇し、18日の安値342.8円から27.6円もの上昇となった。こ
の間、上海ゴムも反発しているが、産地価格は下落している。投資主体別売買動向をみ
ると、海外投資家が11月第1週は161枚の売り越しだったのに対し、第2週は18
1枚の買い越し転じている。18日からの急騰は、ショートスクイーズ(買い戻しによ
る踏み上げ)の可能性がある。内部要因主導の上昇ならば、上げ一服となれば、再び売
りが先行する可能性が高いとみる。産地サイドや上海ゴムは、すでに軟化しており、目
先、JPXゴムRSS3号は再び下落する可能性が高そうだ。その場合、活発限月の4
月限は、節目の340円を試すとみる。
【タイオファーは再び80バーツを下回れる】
 産地価格が再び軟化している。タイ南部の天然ゴム主要積み出し港のソンクラ渡しの
オファー価格は、10月2日に96.12バーツの高値を付けて以降、下落を開始し、
11月6日には7月31日以来の低水準となる78.75バーツまで下落した。ただ、
その後は80バーツ超が提示されていた。しかし、19日に79.05バーツが提示さ
れると、その後は80バーツ台を回復出来ずにいる。
 産地は、増産期に入っており、オファーは下落しやすい時期だ。気象庁が11日に発
表したエルニーニョ監視速報によると、現状は、ラニーニャ現象も発生していない平常
の状態と見られるが、「ラニーニャ現象時の特徴が明瞭」になりつつあるとしている。
実際にラニーニャ現象となれば、タッピング(樹液採取作業)障害からゴム価格が上昇
するとみられる。
【上海ゴムはレンジ取引継続か】
 上海ゴム中心限月の1月限は、18日に1万7155元まで下落し、1万7500〜
1万8500元前後でのレンジ相場から下放れたかに見えたが、これがダマシとなっ
た。21日には1万7820元まで戻した。1月限は8日の午前中にも1万8730元
まで一時上昇したが、ダマシだった。上・下攻めてともに失敗となっている。ただ、直
近の戻りの中、20日、21日とともに陽線とはなっているが、上ヒゲが長い。1万8
000元接近では戻り待ち売りあるとみる。産地が増産期にあることから、天然ゴムを
積極的に買い進む状況ではない。目先、レンジからの下放れの公算が大きいとみる。
【東京ゴム活発限月の4月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の4月限は、反発場面となった。11月からの値動きをみ
ると、産地安を背景に5日に345.0円まで下落した。8日に379.9円まで戻し
たが、380円手前で戻り売りを浴びると、11月14日には340.0円まで一時下
落した。だが、同日の日足がほぼ十字線となると反発を開始、上海ゴムが地合いを引き
締めたことから、22日には370.4円まで戻した。ただその後は、売りが優勢とな
っている。10月8日の高値417.2円から11月14日の安値340.0円まで下
落の38.2%戻しが369.5円であり、同水準で戻りが抑えられたようだ。
 地合いを引き締めると、節目の375.0円や8日の高値379.9円がポイントに
なる。380円台に乗せると、節目の390円や400円が意識されそうだ。一方、売
りが先行すれば、一目均衡表の転換線がある355円台が支持になる。同線を割り込む
と、節目の350円や14日の安値340.0円が視野に入る。安値更新をなれば、現
状、340円以下に特に目立った支持線が見当たらないことから、節目の335円や3
30円を意識した展開になりそうだ。この価格帯は、取組高が少ないとみられるため、
下げが加速する可能性があるので注意したい。
【今週の注目ポイント】
 上海ゴムに注目したい。直近の戻りは上海ゴム主導である。ただ、現状、特に積極的
に天然ゴムを買い進む材料は見当たらない。上海ゴムの上昇が直近に下落に対する調整
ならば、目先、再び軟化する可能性がありそうだ。
【相場予想レンジ】
 11月25〜19日のJPXゴムRSS3号4月限の中心レンジ予想は330〜38
0円。テクニカルの支持線は340.0円(11月14日安値)、抵抗線は370.0
円(節目)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
25日 独景況感指数 2024年11月(ifo)
26日 米ケース・シラー住宅価格指数 2024年9月(S&P)
    米新築住宅販売 2024年10月(商務省)
    米消費者信頼感指数 2024年11月(カンファレンスボード)
27日 政策金利公表(NZ準備銀行)
    中国工業利益 2024年10月(国家統計局)
    米国内総生産 2024年7-9月期改定値(商務省)
    米耐久財受注 2024年10月速報値(商務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米個人所得・支出 2024年10月(商務省)
    米中古住宅販売仮契約指数 2024年10月(全米不動産協会)
    米FOMC議事録公表 11月6-7日(FRB)
28日 ●米国(サンクスギビングデー)
    独消費者物価指数 2024年11月速報(連邦統計庁)
29日 労働力調査(失業率) 2024年10月(総務省)
    鉱工業生産指数 2024年10月速報(経済産業省)
    小売業販売額 2024年10月速報(経済産業省)
    ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
    上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    独雇用統計 2024年11月(連邦雇用庁)
    ユーロ圏消費者物価指数 2024年11月速報(EUROSTAT)
    シカゴ購買部協会景気指数 2024年11月(シカゴ購買部協会)
    建玉明細報告(CFTC)
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