シカゴコーン市況=続伸、南米産地の乾燥懸念と米関税引き上げ懸念の後退で

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
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              始 値   高 値   安 値   帳入値    前日比
  2025/03    484.25      490.50      482.50      490.00      + 5.75
  2025/05    492.75      499.75      492.25      499.75      + 6.75
  2025/07    493.75      501.00      493.75      501.00      + 6.75
   単位:枚   推定出来高   前日出来高   前日取組高(前々日比)
   先物       528,487        666,942        1,911,231 (+ 50,918)

注:4本値および出来高・取組高は、相場表と異なる場合があります。当該取引所から
電子取引を含む相場データの訂正が頻出しています。市況送信の際は細心の注意を払っ
ていますが、最新データは相場表でご確認ください。推定出来高は米国中部時間午後4
時の数字です。
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*米農務省(USDA)発表の週間輸出検証高(1月16日までの週)
 コーン:154万1423トン(前週改定値:144万2252トン)
 小 麦: 26万1786トン(前週改定値: 29万9191トン)
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*米気象庁発表の6−10日予報(1月27日−1月31日)
 コーンベルト西部の気温は平年並〜平年を上回る。雨量は平年を下回る。
 コーンベルト東部の気温は平年並。雨量は平年を下回る〜平年並。
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 コーンは続伸。前日比は0.25〜6.75セント高。3月限は前日比5.75セン
ト高の490.00セント。
 アルゼンチン産地全域、ブラジル産地南部の乾燥懸念が引き続き買い支援要因となっ
た。また、トランプ新政権が発足すると同時に様々な大統領令への署名が行われながら
も、事前に懸念されていた海外からの輸入関税についてはメキシコとカナダからの輸入
関税は2月1日までに引き上げられる可能性が示されながらも中国とEUに関しては言
及がなかったことが強気材料視された。
 3月限は484.25セントで取引を開始するとすぐに値位置を切り上げ、アジアの
時間帯前半には490.50セントの高値を付けた。その後は暫く486.50セント
を下値支持線とする高もみが続いた。米国の時間帯に482.50セントまで下押され
たものの、一時的な動きにとどまり再び480セント台後半に浮上。終盤は488〜
490セントの狭いレンジ内での高もみとなり高値圏を維持したまま取引を終えた。

 米農務省(USDA)発表の1月16日までのコーン週間輸出検証高は154万
1423トンで前週改定値の144万2252トンを上回った。累計輸出検証高は
1924万9865トンで前年同時期の1474万6139トンを約31%上回ってい
る。
 ブラジル産地およびアルゼンチン産地の天気概況は以下の通り(民間気象会社の天気
概況及び予報を要約)。

<ブラジル南部のリオグランデドスル州およびパラナ州>
 この24時間は散発的な降雨が発生。気温は平年以下〜平年並だった。

 今週は25日まで局地的から散発的な降雨が見込まれる。気温は平年並〜平年を上回
るだろう。
 ブラジル南部ではリオグランデドスル州及びパラナ州ではこの週末に降雨が発生して
いるが次のまとまった雨量を伴う降雨は2月が見込まれる。この週末の雨は慈雨となっ
ているが、1月の前半は雨量不足となったため、更に雨が必要とされている。
<ブラジル中部のマトグロッソ州、マトグロッソドスル州、ゴイアス州南部>
 この24時間は散発的な降雨が発生。気温は平年並だった。

 25日にかけて散発的な降雨となり、気温は25日まで平年並〜平年を上回るだろ
う。開花〜結実期を迎えた大豆、生育中のコーンにとって良好な生育環境を維持。
 ブラジル中部では大豆収穫が開始。降雨は今のところ大きな影響をもたらしていない
が、2月上旬まで降り続くようであれば収穫およびサフリーニャコーンの作付け遅延な
どの影響が発生するリスクが高まる。

<アルゼンチン北部のコルドバ州、サンタフェ州、ブエノスアイレス州北部>
 この24時間は概ね降雨は発生しなかった。気温は平年以下〜平年並だった。
 今後は22日まで概ね降雨は発生しないが、23〜24日は局地的な降雨になるだろ
う。なお、25日は概ね降雨は発生しない見込み。一方の気温は24日まで平年並〜平
年を上回り、25日は平年並だろう。
 コルドバ州及びサンタフェ州ではこの週末に降雨が発生。気温は引き続き32〜
36℃と平年をやや上回る見込みで週末に降雨が発生しなかった地域では作柄の悪化が
見込まれる。今週後半まで降雨が発生する可能性は低い。

<アルゼンチン南部のラパンパ州、ブエノスアイレス州南部>
 この24時間は概ね降雨は発生せず。気温は平年以下〜平年並だった。

 今後は22日まで概ね降雨は発生しないだろう。23〜24日は局地的な降雨になる
ものの、25日は概ね降雨は発生しない見込み。この間の気温は24日まで平年並〜平
年を上回るが25日は平年以下〜平年並だろう。
 多くの地域で少雨傾向となり週末も降雨は発生していないため、降雨が必要となって
いる。ただ、今週後半までは降雨は期待薄。
 シカゴ小麦は大幅続伸。米ドル売り傾向が強まったことに加え、ロシアでスノーカバ
ーが薄い地域での寒波の可能性とこれに伴う寒波被害に対する懸念から大きく値を切り
上げた。3月限は昨年12月12日以来の水準まで一気に浮上。高値圏を維持したまま
取引を終えた。
 3月限の終値は前日比11.25セント高の540.50セント。
今日の材料
・ブラジルは南部産地では25日まで局地的から散発的な降雨。
・ブラジル中部産地では慈雨で良好な生育環境を維持するも降雨過多懸念が強まる。
・アルゼンチンは北部産地では土壌水分の乾燥が進行。
・アルゼンチン南部産地では土壌水分の乾燥が進み穀物への影響が警戒される。
・USDA発表の1月16日までのコーン週間輸出検証高は154万1423トンで
 前週改定値の144万2252トンを上回る。
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