[1月27日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2025 年 12 月限 1 月 20 日〜 1 月 24 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 13,634 13,985 (24) 13,544 (20) 13,912 +271 銀 154.0 154.0 (20) 154.0 (20) 154.0 -2.0 プラチナ 4,613 4,730 (24) 4,601 (21) 4,698 +76 パラジウム 4,700 4,800 (24) 4,700 (20) 4,800 +100 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 24 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 2) 2,778.9 +30.2 | ドル・円 155.27 0.42 円高 銀 ( 3) 3,118.5 +4.4 | 日経平均 39,931.98 +1480.52 プラチナ ( 4) 972.1 +6.6 | NY原油 ( 3) 74.66 -2.73 パラジウム ( 3) 1,009.70 +42.60 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 24日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は米利下げ期待も米大統領就任後の動きを確認、とした。 金は米政権の政策に対する不透明感を受けて買い優勢となった。現物相場は昨年10 月31日以来の高値2776.80ドルを付けた。金先限は上場来高値1万3985円 を付けた。 トランプ米大統領は20日、就任式での演説で不法移民の取り締まりなどを優先課題 に挙げ、「米国の黄金時代が今始まる」と表明した。また地球温暖化対策から化石燃料 生産へと米国の政策を方向転換させるため、「EV義務化」と呼ぶバイデン政権時代の 電気自動車優遇措置を撤廃するとした。就任初日に包括的な通商に関する覚書に署名す るとしたが、当日の新たな関税措置の導入は見送られた。ただメキシコとカナダからの 輸入品に最大25%の関税を2月1日までに賦課することを計画していると述べた。ま た欧州連合(EU)に関税を課す考えを表明し、中国からの輸入品に対して2月1日か ら10%の関税発動を検討しているとした。米大統領は23日、世界経済フォーラム (WEF)の年次総会(ダボス会議)でリモート演説し、米国で石油生産の拡大を図り つつ、インフレや不法移民対策に取り組むと表明した。関税計画について、「米国で製 品を製造すれば、地球上のどの国よりも低い税金が適用される」と述べた。また1期目 に行った減税措置を延長するほか、規制緩和に着手し、米国を人工知能(AI)と仮想 通貨のハブ(中心地)にすることに注力するとも表明した。 米新規失業保険申請件数は前週比6000件増の22万3000件となった。事前予 想は22万件。増加幅はわずかにとどまり、雇用増が1月も堅調に続いていることが示 された。28〜29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きが見込まれ ている。ただトランプ米大統領は「原油価格が下落している今、金利の即時引き下げを 要求する」とし、「同様に世界中で金利が下がるべき」と述べた。またサウジアラビア と石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを求める考えも示した。 【金ETF残高は減少】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は23日時点で 1055.35トンとなり、前週末比14.47トン減少した。米国で14.93ト ン、英GBSで0.08トン減少する一方、オーストラリアで0.03トン、英ETF Sで0.52トン増加した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告 によると、1月14日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは27万9363 枚となり、前週の25万4911枚から拡大した。今回は新規買いが2万0847枚、 買い戻しが3605枚入り、2万4452枚買い越し幅を拡大した。 イスラエル政府は18日、イスラム組織ハマスとの停戦合意を承認し、19日に発効 した。停戦の第1段階は6週間でハマスは98人の人質のうち、女性や子供ら33人を 解放する。イスラエルは20日、パレスチナ人90人を釈放した。一方、ロシアのプー チン大統領は、ホワイトハウス復帰を控えるトランプ米大統領の就任を祝福するととも に、ウクライナや核兵器を巡り米新政権と対話する用意があると述べた。ウクライナの ゼレンスキー大統領は、米大統領の就任に祝意を示し、ウクライナで公正な平和を実現 する機会に期待を表明した。トランプ米大統領は22日、ロシアがウクライナ戦争終結 に合意しない場合、ロシアと「他の参加国」に高水準の税金や関税、制裁を課すと警告 した。ただウクライナや欧州同盟国の間では、性急な合意はロシアの思惑に利する結果 となり、ウクライナが領土問題などを巡り大幅な譲歩を強いられる可能性があるとの懸 念が広がっている。 【銀は金堅調につれ高】 銀の現物相場は金堅調を受けて押し目を買われ、15日以来の高値30.94ドルを 付けたのち、戻りを売られて上げ一服となった。米政権の政策に対する不透明感による 金堅調が支援要因になったが、関税引き上げで貿易摩擦に対する懸念が残ることが上値 を抑える要因になった。中国は株式市場の安定化策を発表し、欧州は関税を回避するた め、米国からのエネルギーや武器の購入を巡り協議する用意があるとした。 23日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比184.12 トン減の1万4226.60トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC) の建玉明細報告によると、1月14日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは 4万6080枚となり、前週の4万0948枚から拡大した。新規買い、買い戻しが入 った。 当面の予定(イベント・経済統計) 27日 ●オーストラリア(オーストラリアの日) 中国工業利益 2024年12月(国家統計局) 中国製造業購買担当者景況指数 2025年1月(中国物流購買連合会) 中国非製造業購買担当者景況指数 2025年1月(中国物流購買連合会) 独景況感指数 2025年1月(ifo) 米新築住宅販売 2024年12月(商務省) 28日 ●中国(春節) 米耐久財受注 2024年12月速報値(商務省) 米ケース・シラー住宅価格指数 2024年11月(S&P) 米消費者信頼感指数 2025年1月(カンファレンスボード) 米連邦公開市場委員会(FOMC、29日まで) 29日 ●中国、香港(春節) 金融政策決定会合議事要旨公表 12月18-19日分(日本銀行) 米FOMC声明文公表(FRB) 政策金利発表(カナダ銀行) 30日 ●中国、香港(春節) ユーロ圏域内総生産 2024年10-12月期速報(EUROSTAT) ユーロ圏雇用統計 2024年12月(EUROSTAT) 理事会結果公表(ECB) 政策金利公表(南アフリカ準備銀行) 米国内総生産 2024年10-12月期速報値(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米中古住宅販売仮契約指数 2024年12月(全米不動産協会) 31日 ●中国、香港(春節) 労働力調査(失業率) 2024年12月(総務省) 鉱工業生産指数 2024年12月速報(経済産業省) 小売業販売額 2024年12月速報(経済産業省) 中国製造業購買担当者景況指数 2025年1月(財新) 独消費者物価指数 2025年1月速報(連邦統計庁) 米個人所得・支出 2024年12月(商務省) 米雇用コスト指数 2024年10-12月期(労働省) 米シカゴ購買部協会景気指数 2025年1月(シカゴ購買部協会) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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