ゴム週間展望=上海ゴム再開前に上げ一服か、ただし堅調地合いは継続

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [2月3日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         1月27日〜1月31日
<国内>         始 値     高 値       安 値      帳入値     前週比
 25年07月限      382.0      394.7(31)    376.4(27)    394.4    + 10.7
 RSS先限      375.0      386.0(31)    375.0(27)     386.0     +  7.0
 TSR20    309.0      310.0(31)    309.0(27)    310.0     +  2.0
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 154.68円  前週末比 0.59 円高
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【前週までのレビュー】米中関係の緊張がやや緩和したことから、小じっかりと推移す
るとみた。
【5日以降は上海ゴム次第も買い優勢か】
 JPXゴムRSS3号は、買いが優勢となっている。活発限月の7月限は、上海ゴム
が休場中も地合いを引き締め、1月31日には、昨年10月25日以来となる390円
台に水準を引き上げた。ただ、今回の上昇には、特に目立った材料は見当たらない。海
外投資家が買いに回っていることから、買いの仕掛けが入ったとみる。このため、上海
ゴムの取引が再開される5日までには、調整安のため、上げ一服となる可能性が高そう
だ。5日以降は、上海ゴム次第となるが、金を筆頭に他商品がしっかりとなっているこ
とから、買いが優勢となりそうだ。
 上海ゴムの上昇を手掛かりに17日に387.7円まで上昇後、伸び悩んでいる。た
だ、トランプ米大統領が中国に関税を掛けたくないと述べるなど、米中関係の緊張が、
やや緩和したこともあり、目先、小じっかりとした展開になりそうだ。ただ、トランプ
米大統領の発言は頻繁に変わることから、引き続き注意深く見守りたい。
【産地価格は軟化】
 産地タイの天然ゴム価格は、軟調な展開が続いている。1月30日のタイ南部の天然
ゴム主要積み出し港のソンクラ渡しのオファー価格は、前営業日比0.01バーツ安の
83.17バーツが提示されている。ソンクラのタイオファーは、1月17日に87.
71バーツまで水準を引き上げたが、その後、徐々に水準を引き下げている。
 産地は、2月に入ると、ウィンタリング(落葉期=減産期)に入ることから、徐々に
供給が減少する。このため、価格は下がりにくくなるが、今年は中国の景気回復の遅れ
や、トランプ米大統領の政策に対する懸念などから、買いが入りにくいようだ。
【中国製造業PMIは50割れ】
 1月27日に中国国家統計局から発表された1月の製造業購買担当者景気指数(PM
I)は49.1となり、全然の50.1から1.0ポイント低下した。同指標が景況感
の分かれ目とされる50を下回ったのは、4カ月ぶり。PMIの中で注目度が高い新規
受注は前月より1.8ポイント下落し、49.2、生産も2.3ポイント下落し48.
9となり、5カ月ぶりに50を割り込んだ。また、同時に発表された同月のサービス業
PMIは、50.2となり、昨年12月の52.2から2.0ポイント低下した。ま
た、サービス業に分類される建設業をみると、49.3となり、前月から3.9ポイン
トも低下した。
 米中関係の悪化懸念から、製造業PMIは今後も容易には浮上してこないだろう。ま
た、建設業のPMIが低下していることも、不動産バブル崩壊から景気が減速している
中国の回復の遅れを示唆している。
【東京ゴム活発限月の6月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の7月限は、買いが優勢となっている。1月からの値動き
をみると、7日に354.0円まで下落した。だが、8日以降は、上海ゴムの上昇を受
けて、7連騰となり17日に387.0円まで水準を引き上げた。20日以降は、上海
ゴムが軟化したことから上げ一服となり、380円を挟んでのもみ合いとなった。だ
が、上海市場が休場になった28日以降、薄商いの中、買いの仕掛けが入り、31日に
は節目の390円を上抜いた。
 一段高となれば、節目の395円の攻防になる。同水準を上抜くと、節目の400円
が視野に入る。400円台に乗せるようなら、昨年10月8日の高値405.0円を目
指すとみる。一方、軟化するようなら、節目の380円付近が支持になる。同水準を割
り込むと、1月27日の安値376.4円が意識される。
【今週の注目ポイント】
 産地相場に注目したい。産地は、ウィンタリングに入ることから、4月下旬まで供給
が減少する可能性がある。ただ、例年のことと言うこともあり、直近の値動きをみる
と、やや下落傾向になる。産地安が進めば、JPXゴムRSS3号は、期近から軟化す
ると見る。また、2月5日から取引が再開される上海市場にも注目したい。
【相場予想レンジ】
 2月3〜8日のJPXゴムRSS3号7月限の中心レンジ予想は360〜400円。
テクニカルの支持線は376.4円(1月27日安値)、抵抗線は390.0円(節
目)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
3日 ●中国(春節)
   ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年1月確報(Markit)
   ユーロ圏消費者物価指数 2025年1月速報(EUROSTAT)
   米製造業景況指数 2025年1月(ISM)
4日 ●中国(春節)
   米耐久財受注 2024年12月確報値(商務省)
   米製造業新規受注 2024年12月(商務省)
5日 中国サービス業購買担当者景況指数 2025年1月(財新)
   ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年1月確報(Markit)
   ユーロ圏生産者物価指数 2024年12月(EUROSTAT)
   全米雇用報告 2025年1月(ADP)
   米貿易収支 2024年12月(商務省)
   米非製造業景況指数 2025年1月(ISM)
6日 ●ニュージーランド(ワイタンギデー)
   独製造業受注 2024年12月(経済技術省)
   ユーロ圏小売売上高 2024年12月(EUROSTAT)
   英中銀政策金利公表
   米新規失業保険申請件数(労働省)
7日 全世帯家計調査・消費支出 2024年12月(総務省)
   上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
   独鉱工業生産指数 2024年12月(経済技術省)
   米雇用統計 2025年1月(労働省)
   米消費者信頼感指数 2025年2月速報値(ミシガン大)
   建玉明細報告(CFTC)
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