株価指数先物【寄り前】 25日線水準では押し目狙いのロング対応

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39360 -270 (-0.68%)
TOPIX先物 2771.5 -19.5 (-0.69%) 
シカゴ日経平均先物 39355 -275
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 31日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。2024年12月の米個人消費支出(PCE)統計では、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視しているPCEコア指数は前月比0.2%上昇となり、予想と一致した。FRBの追加利下げを後押しする内容と受け止められ、NYダウは買いが先行して始まった。ただし、トランプ米政権がカナダとメキシコに25%、中国には10%の追加関税を課すと改めて伝わるなか、米経済やインフレへの影響を懸念した売りが優勢となり下げに転じた。

 NYダウ構成銘柄では、エヌビディア、シェブロン、シャーウィン・ウィリアムズ、ボーイング、トラベラーズの下げが目立った。S&P500業種別指数は自動車・同部品、メディア、小売が上昇した半面、耐久消費財・アパレル、エネルギー、半導体・同製造装置が下落。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比275円安の3万9355円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比20円高の3万9650円で始まり、3万9720円まで買われた後に3万9550円まで売られたが、米国市場の取引開始後にリバウンド基調が強まり、中盤にかけて3万9820円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ただし、終盤にかけて下へのバイアスが強まり下落に転じると、一時3万9340円まで下げ、3万9360円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時3万9820円まで買われ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9860円)に接近する場面もみられたが、終盤にかけてロング解消の動きが強まった。25日移動平均線(3万9360円)まで下げており、同線が支持線として機能するかを見極めたいところだろう。

 米国市場ではトランプ政権による関税政策の警戒から売られており、対象国による対抗措置、さらにそれを受けた米国による報復措置の動きが警戒される可能性もある。これらに関連する報道によっては、短期的なショートを仕掛けてくる動きがありそうだ。

 ただし、決算発表が本格化するなか、積極的にポジションを傾けにくい需給状況である。先週はアドバンテスト<6857>[東証P]の上方修正が材料視される場面がみられたほか、ハイテク企業には良好な決算が目立った。今週は指数インパクトの大きい東京エレクトロン<8035>[東証P]が、6日に2025年3月期第3四半期決算の発表を予定しており、ショートを仕掛けづらくさせよう。

 日経225先物は25日線水準での底堅さを見極めつつ、同線を割り込んでくると75日線が位置する3万9060円が意識されてくるが、このレンジでは押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。一方で、25日線水準での底堅さがみられる局面では、+1σとのレンジ推移が継続することになる。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9875円でのレンジを想定する。

 31日の米VIX指数は16.43(30日は15.84)に上昇した。前日に割り込んだ200日線(16.19)を突破して終えており、一時75日線(16.71)、25日線(16.78)を上抜ける場面もあった。ただし、終値で20.00を上回ってくるまでは、過度なリスク警戒にはつながらないとみておきたい。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.19倍と横ばいだった。一時14.25倍に上昇する場面もみられたが、ディープシークショックで割り込んだ200日線(14.23倍)水準では戻りの鈍さがみられている。昨年11月の直近安値水準まで低下したことで、いったんはリバランスが入りやすいとみられるが、まずは明確に200日線を上抜けてくるかを見極めたいところである。

株探ニュース

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