ゴム週間展望=戻りは鈍い、日本の追加利上げ機運が上値を抑える

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [2月10日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         2月3日〜2月7日
<国内>         始 値     高 値       安 値      帳入値     前週比
 25年07月限      392.7      394.9(3)     371.9(6)     373.7    - 20.7
 RSS先限      391.0      391.0(3)     380.0(6)      380.0     -  6.0
 TSR20    310.0      310.0(3)     296.0(5)     300.0     - 10.0
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 151.72円  前週末比 2.96 円高
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【前週までのレビュー】上海ゴムの大型連休前半の上昇に対する、調整安場面になると
みた。
【戻りは徐々に鈍くなる】
 JPXゴムRSS3号は、急落後、安値圏でのもみ合いとなっている。活発限月の期
中7月限は、上海ゴムが休場中も地合いを引き締め、2月3日に昨年10月9日以来の
高値となる394.9円まで急伸した。だが、その後、上海休場中の上げ幅を解消する
動きや、取引が再開された上海ゴムの下落から、6日に371.9円まで下落した。そ
の後は375円前後で強もちあいとなっている。目先は上海ゴムが戻り場面を迎えそう
なことや金を筆頭に他商品が総じて堅調に推移していることから、JPXゴムRSS3
号が戻す場面はあるだろう。ただ、日本では追加利上げの機運が高まっており、ドル・
円が円高方向に振れているうえ、タイヤ関連株も芳しくない。このためは買われる場面
があっても徐々に戻りが鈍くなるとみる。
【産地価格は軟調地合いが継続】
 産地タイの天然ゴム価格は、軟調な展開が続いている。2月6日のタイ南部の天然ゴ
ム主要積み出し港のソンクラ渡しのオファー価格は、前営業日比1.72バーツ安の
81.47バーツが提示されている。ソンクラのタイオファーは、1月17日に87.
71バーツまで水準を引き上げたが、その後、徐々に水準を引き下げている。
 産地は、2月に入ると、ウィンタリング(落葉期=減産期)に入ることから、徐々に
供給が減少する。このため、価格は下がりにくくなる。ただ、米中貿易戦争の懸念が強
まる中、報復合戦による景気の減速が懸念されている。供給の減少よりも、需要の減少
が意識されているようだ。
【上海ゴムは戻りを試すか】
 5日から取引が再開された上海ゴムは、下げ一服となっている。中心限月5月限は、
5日の取引で1万6825元まで突っ込んだが、終値ベースで1万7000元割れが回
避されると、6日の夜間取引では1万7595元まで戻す場面があった。1月7日から
1月21日までの上昇の半値押し水準が1万7068元である。5日の下落場面、終値
ベースで同水準を下回らなかったことが好感されている。目先、1月21日の高値1万
7765元を試す可能性があるとみる。JPXゴムRSS3号にとって支援材料になる
だろう。
【東京ゴム活発限月の7月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の7月限は、大幅安となっている。1月からの値動きをみ
ると、7日に354.0円まで下落した。だが、8日以降は、上海ゴムの上昇を受け
て、7連騰となり17日に387.0円まで水準を引き上げた。20日以降は、上海ゴ
ムが軟化したことから上げ一服となり、380円を挟んでのもみ合いとなった。だが、
上海市場が休場になった28日以降、薄商いの中、買いの仕掛けが入り、2月3日に節
目の394.9円まで上昇した。だが、節目の395円突破に失敗すると、一転して売
りが先行。4日に390円を割り込むと、5日には373.4円まで急落し、6日に
371.9円まで水準を引き下げる場面があった。
 一段安となれば、節目の370円の攻防になる。同水準を割り込むと、1月10日の
安値364.5円や節目の360.0円が意識される。一方、地合いを引き締めると、
380円台回復が最初の関門。これに成功すれば、一目均衡表の転換線がある383円
台や節目の385.0円が意識される。
【今週の注目ポイント】
 上海ゴムに注目したい。春節の大型連休明けの上海ゴムは、売りが先行したものの、
売り一服後は戻りを試している。テクニカル的には、直近の上昇に対する半値割れが回
避されており、目先、戻りを試しそうだ。
【相場予想レンジ】
2月10〜14日のJPXゴムRSS3号7月限の中心レンジ予想は360〜390
円。テクニカルの支持線は371.9円(2月6日安値)、抵抗線は380.0円(節
目)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
10日 国際収支(経常収支) 2024年12月(財務省)
       ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
11日 ●建国記念日
12日 米消費者物価指数 2025年1月(労働省)
    米財政収支 2025年1月(財務省)
13日 企業物価指数 2025年1月(日本銀行)
    独消費者物価指数 2025年1月確報(連邦統計庁)
    英国内総生産 速報値 2024年10-12月期(国立統計局)
    英貿易収支 2024年12月(国立統計局)
    英鉱工業生産指数 2024年12月(国立統計局)
    ユーロ圏鉱工業生産 2024年12月(EUROSTAT)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米生産者物価指数 2025年1月(労働省)
14日 上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    ユーロ圏域内総生産 2024年10-12月期改定(EUROSTAT)
    米小売売上高 2025年1月(商務省)
    米輸出入物価指数 2025年1月(労働省)
    米鉱工業生産・設備稼働率 2025年1月(FRB)
    米企業在庫 2024年12月(商務省)
    建玉明細報告(CFTC)
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