【場況】 金が続落。ドル建て現物相場の下落と円高を受けて売り優勢で始まった。その後は、 円高一服やドル建て現物相場の押し目を買われたことを受けて期先2本がプラスサイド に転じたが、戻りは売られた。銀は4月限が変わらずとなった。 午前11時2分現在の前営業日比は、金標準が50〜18円安、金ミニが81.5〜 20.5円安、ゴールドスポットが611円高、銀が変わらず。 午前11時2分現在の出来高は、金が1万5219枚、金ミニが6846枚、ゴール ドスポットが1620枚、銀が1枚。 【NY金は欧州時間に一代高値更新も上げ一服】 金はトランプ米大統領の関税発言が支援要因になった。トランプ大統領は、米国に輸 入される自動車、半導体、医薬品などに対する関税について「来月か、それより早く」 発表すると述べた。2月の米フィラデルフィア地区連銀製造業業況指数は18.1とな った。前月から26.2ポイント低下し、低下幅は約5年ぶりの大きさとなった。原材 料価格が約2年半ぶりの高水準を付け、投入価格が急騰したことが響いた。 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、トランプ米大統領が表明している広範な関 税措置の導入で新型コロナウイルス禍で発生したような供給ショックが引き起こされれ ば、インフレが悪化する可能性をやや懸念していると述べた。米アトランタ地区連銀の ボスティック総裁は、トランプ米大統領の貿易・移民政策を巡り広範な不確実性が依然 として存在するものの、連邦準備理事会(FRB)は年内に計50ベーシスポイント (bp)の利下げを実施できるとの見方を示した。米セントルイス地区連銀のムサレム 総裁は、このところの経済指標でインフレ期待の上昇傾向が示されているとし、景気停 滞と物価上昇が同時に起きるスタグフレーションに米経済が陥るリスクを指摘した。 ウクライナは「米大統領と強力で効果的な投資・安全保障の合意」を結ぶ用意がある と、ゼレンスキー大統領がX(旧ツイッター)で表明した。米国のウォルツ大統領補佐 官(国家安全保障担当)は、6月に予定される次回の北大西洋条約機構(NATO)首 脳会議までに、NATO加盟国は国内総生産(GDP)比2%を国防費に充てる必要が あると言明した。 金先限は夜間取引で1万4205円まで下落した。ニューヨーク市場で利食い売りが 出たことや円高が圧迫要因になった。日中取引では1万4318円まで戻した。円相場 は1ドル=149円台半ばで円高が一服した。予想通りの消費者物価指数(CPI)が 背景にある。 【ドル建て現物相場】 金のドル建て現物相場は、戻りを売られる。きのうの海外市場では、米大統領の関税 発言などを受けて欧州時間に史上最高値を更新したのち、利食い売りなどが出て上げ一 服となった。アジア市場では、朝方の2939.99ドルから、2949ドル台まで上 昇したのち、戻りを売られた。 午前11時現在、金が2927.38ドル、銀は3286セントで推移。前営業日の 大引け時点は金が2944.80ドル、銀が3285セント。 MINKABU PRESS
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