[今日の視点]貴金属=軒並み下落、NY安と円高で

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、軒並み下落して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク安と円高を受けて
売り優勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク安と円高を
受けて軟調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は19.59ドル安
の2915.35ドル、銀が52セント安の3174セント、プラチナが7.91ドル
高の972.30ドル、パラジウムは10.21ドル安の930.00ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=149.12/14円で、前営業日の
大引け時点から0.67円の円高。
 12月限の寄り付き目安は、金が1万4040円前後、銀は154.0円前後、プラ
チナは4565円前後、パラジウムは4800円前後。
【NY金は利食い売りで急落】
 金はきのうの海外市場では、ウクライナ停戦の可能性やリスク回避の動きなどを背景
に利食い売り主導で急落した。
 金はウクライナ停戦の可能性やリスク回避の動きが圧迫要因になった。米仏首脳会談
後、トランプ米大統領はできるだけ早期のウクライナ停戦を望む立場を示し、そのため
に取り組んでいると説明した。合意が成立すればモスクワでプーチン氏と会談すること
も可能だと述べた。マクロン仏大統領はまず停戦交渉を行い、その後、安全保障に裏付
けられた和平合意を結ぶ必要があるとして、より慎重なアプローチを主張した。一方、
ウクライナは、同国の重要な鉱物資源や石油・天然ガスを共同開発する取引で米国と合
意した。ゼレンスキー大統領が28日にワシントンを訪れる予定だという。またロシア
大統領府のペスコフ報道官は、同国には多くのレアアース(希土類)鉱床があり、開発
に向けた取引に前向きだと述べた。
 トランプ米大統領は、3月4日に迫るカナダとメキシコに対する関税発動は「予定通
り」という認識を示した。また米政権は対中半導体規制の強化を目指している。メキシ
コのシェインバウム大統領は、トランプ米政権によるメキシコとカナダに対する関税発
動の一時停止期限が3月4日に迫る中、貿易政策を巡り米政府と協議を継続していると
明らかにした。
 2月の米消費者信頼感指数は98.3と、前月から7ポイント低下した。低下幅は
2021年8月以来、3年半ぶりの大きさ。予想の102.5も下回り、24年6月以
来の低水準となった。トランプ政権が掲げる関税措置で物価が上昇するとの懸念から、
向こう1年のインフレ期待は6%と、5.2%から急上昇し、23年5月以来の高水準
となった。
 銀はきのうの海外市場では、金急落につれ安となった。
【NYプラチナは金急落につれ安】
 プラチナはきのうの海外市場では、金急落につれ安となった。
 プラチナは金急落が圧迫要因になった。ウクライナ停戦の可能性やリスク回避の動き
などを受けて金に利食い売りが出た。ただ米国債の利回りが低下するなか、ドル安に振
れたことがプラチナの下支え要因である。買い戻す動きが強まると、下値は限られそう
だ。
<今日の予定>
・米新築住宅販売 2025年1月(商務省)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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