シカゴコーン市況=総じて続落、米政権の関税政策懸念や南米の好天などで

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
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              始 値   高 値   安 値   帳入値    前日比
  2025/03    455.25      456.75      439.00      440.25      -13.25
  2025/05    469.75      472.75      454.50      456.25      -13.25
  2025/07    476.00      479.00      462.25      463.75      -12.00
   単位:枚   推定出来高   前日出来高   前日取組高(前々日比)
   先物       682,681        517,599        1,888,145 (+  1,758)

注:4本値および出来高・取組高は、相場表と異なる場合があります。当該取引所から
電子取引を含む相場データの訂正が頻出しています。市況送信の際は細心の注意を払っ
ていますが、最新データは相場表でご確認ください。推定出来高は米国中部時間午後4
時の数字です。
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*米農務省(USDA)発表の週間輸出検証高(2月27日までの週)
 コーン:135万1373トン(前週改定値:116万6368トン)
 小 麦: 38万9593トン(前週改定値: 38万7855トン)
*米気象庁発表の6−10日予報(3月9日−3月13日)
 コーンベルト西部の気温は平年を上回る。雨量は平年を下回る〜平年並。
 コーンベルト東部の気温は平年を上回る。雨量は平年並〜平年を上回る。
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 コーンは総じて続落。前日比は13.25セント安〜1.75セント高。出来高の薄
い期先3限月のみが小高く終えた。5月限は前日比13.25セント安の456.25
セント。
 トランプ政権によるカナダおよびメキシコからの輸入関税の発動が3月4日とされて
いることで貿易戦争激化に対する警戒感が強まったうえ、南米産地で生育に適した天候
が広がっていること、米国の今春の作付拡大見通しが重石となった。米農務省(USD
A)発表の週間輸出検証高は前週を上回る強気な内容だったが、市場の反応は薄く、5
月限は昨年12月24日以来の水準まで値を沈めた。

 5月限は469.75セントで取引を開始した直後に472.75セントの高値を付
け、高値を離れた後もアジアの時間帯は470セントが下値支持線として意識された
が、欧州の時間帯は次第安となり465セントまで値を落とした。シカゴの時間帯を迎
えると更に下値指向を強め、終盤は450セント台後半でのもちあいとなり、その中で
一時は454.50セントの安値まで下落。安値で低迷したまま引けを迎えた。

 米農務省(USDA)発表の2月27日までのコーン週間輸出検証高は135万
1373トンで前週改定値の116万6368トンを上回った。累計輸出検証高は
2725万7377トンと前年同時期の2069万7859トンを約32%上回って
いる。

 ブラジル産地およびアルゼンチン産地の天気概況は以下の通り(民間気象会社の天気
概況及び予報を要約)。

<ブラジル南部のリオグランデドスル州およびパラナ州>
 パラナ州、サンパウロ州などではこの24時間は局地的な降雨が発生。今週は25日
まで降雨は発生しないが、26〜28日にかけて局地的な降雨となる見込み。気温は
28日まで平年を上回るだろう。

<ブラジル中部のマトグロッソ州、マトグロッソドスル州、ゴイアス州南部>
 この数週間は好天に恵まれたため、大豆の収穫および二期作目のサフリーニャコーン
の作付は平年並みのペースまで回復。一部では作付が平年に遅れたものの、許容範囲と
見られる。ただ、少雨傾向が続いたことや作付されたばかりのコーンにとってはストレ
スが発生しやすい環境となっている。今後は平年通り少雨傾向が強まるが、未成熟の穀
物や作付けされたばかりの穀物にストレスを与えやすい天気が続く見通し。

<アルゼンチン全域>
 先週末は降雨が発生しないなか気温が上昇し、コーンや大豆にとってストレスが発生
しやすい天気となった。ただ、23日には南部から前線が接近しており、今週はこの前
線がしばらく停滞する影響で週半ばまでは降雨が続く見込み。また、週末には新たな
前線が接近し、広い範囲で降雨が発生する見込み。3月上旬にかけて穀物の生育に適し
た天気が広がる見込みだが、1月から2月にかけての乾燥ですでに一部でダメージが
発生している。

 シカゴ小麦も続落。週間輸出検証高は前週と同量程度となったが、米政権による
カナダ・メキシコへの輸入関税発動が3月4日とされるなか、米政権による関税政策が
警戒され売り優勢となった。コーン・大豆など他農産物の下落も弱材料視された。
 中心限月の5月限は前日比8.00セント安の547.75セント。
今日の材料
・ブラジル産地南部は降雨が続き作付されたサフリーニャコーンの生育に適した状態。
・ブラジル産地中部はマトグロッソ州でサフリーニャコーンの生育に適した天気が
 広がる。
・アルゼンチン産地では降雨が続き生育環境は改善。
・2月27日までのコーン週間輸出検証高は135万1373トンで前週改定値の
 116万6368トンを上回る。

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