貴金属は、金とプラチナが反落して寄り付く見通し。金は円高を受けて売り優勢とな ろう。銀はニューヨーク高を受けて買い優勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)は プラチナが円高を受けて軟調となろう。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は1.28ドル高の 2919.06ドル、銀が49セント高の3261セント、プラチナが0.56ドル安 の965.00ドル、パラジウムは11.98ドル安の942.80ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=148.78/80円で、前営業日の 大引け時点から0.91円の円高。 先限の寄り付き目安は、金が1万4090円前後、銀は153.0円前後、プラチナ は4535円前後、パラジウムは4500円前後。 【NY金はドル安が支援】 金はきのうの海外市場では、ドル安を受けて押し目を買われた。 金はドル安が支援要因になった。ドイツ次期政権樹立に向けて連立交渉中の政党は、 5000億ユーロのインフラ基金の創設と、借り入れ規則の全面見直しで合意した。防 衛費増額と成長回復に向け、抜本的な転換になるとみられる。また関税やインフレが経 済に与える影響による先行き不透明感もドル安要因となった。米国は4日、カナダとメ キシコからの輸入品に25%の関税を発動。カナダもこれに対し報復関税を発動した。 ただ5日になり、トランプ大統領は米大手自動車メーカートップらとの電話会議で、北 米製の一部の自動車について関税導入を30日間延期することで同意した。 2月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は7万7000人増加した。伸びは 大幅に鈍化し、7カ月ぶりの低水準となった。一方、2月の米ISM非製造業総合指数 は53.5と、前月の52.8から上昇した。価格指数が上昇し、最近みられる工場で の原材料価格の急騰と相まって、今後数カ月でインフレが加速する可能性を示唆した。 銀はきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。 【NYプラチナはドル安や金堅調も上げ一服】 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となったが、関 税発動の影響が懸念されるなか、上げ一服となった。 プラチナはドル安や金堅調が支援要因になったが、関税発動の影響が懸念されるな か、上げ一服となった。ドイツの借り入れ上限「債務ブレーキ」改革に加え、関税やイ ンフレが経済に与える影響による先行き不透明感を受けてドル安に振れた。一方、トラ ンプ大統領は米大手自動車メーカートップらとの電話会議で、北米製の一部の自動車に ついて関税導入を30日間延期することで同意した。 ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の四半期報告によ ると、プラチナは3年連続の供給不足見通しとなった。2024年は31トン、 2025年は26トンの供給不足見通しとなった。2024年のプラチナは、総需要が 2019年以来初めて258トンを上回り、31トンの大幅不足(前回予想比46% 増)を記録した。旺盛な投資需要と宝飾品需要の伸びにより、総需要は前年比5%増の 258トンとなる一方、総供給量は同3%増の227トンとなった。2025年は3年 連続の不足が予想され、これも前回予想から拡大し、26トンの不足が予想された。 <今日の予定> ・ユーロ圏小売売上高 2025年1月(EUROSTAT) ・欧州中央銀行(ECB)理事会結果公表 ・米貿易収支 2025年1月(商務省) ・米新規失業保険申請件数(労働省) MINKABU PRESS 東海林勇行
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