[3月17日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2026 年 2 月限 3 月 10 日〜 3 月 14 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 13,942 14,373 (14) 13,673 (11) 14,368 +462 銀 155.0 160.5 (14) 152.0 (11) 160.5 +5.5 プラチナ 4,536 4,651 (14) 4,451 (11) 4,637 +104 パラジウム 4,500 4,600 (14) 4,500 (10) 4,600 +100 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 13 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 4) 2,991.3 +77.2 | ドル・円 148.66 1.16 円安 銀 ( 5) 3,430.6 +149.7 | 日経平均 37,053.10 +165.93 プラチナ ( 4) 1,006.0 +39.5 | NY原油 ( 4) 66.55 -0.49 パラジウム ( 6) 964.00 +8.50 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 13日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナはドル安と貿易戦争に対する懸念でもみ合い、とした。 プラチナはドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。現物相場は2月14日以来の 高値998.20ドルを付けた。プラチナ先限は2月25日以来の高値4651円を付 けた。一方、パラジウムの現物相場は2月24日以来の高値970.57ドルを付け た。 トランプ米大統領は、関税と連邦職員削減に重点を置く政策が市場の混乱を招くな か、米経済は「過渡期にある」と述べた。市場で景気後退に対する懸念が高まり、株安 に振れた。米国は12日、すべての貿易相手国に対する25%の鉄鋼・アルミニウム関 税を発動し、貿易戦争に対する懸念が高まった。カナダのオンタリオ州のフォード首相 が報復措置としてニューヨーク、ミシガン、ミネソタの3州に供給する電力に25%の 追加料金を課すと発表すると、米大統領は25%の追加関税を対象製品に課すよう指示 した。フォード氏が計画停止を発表すると、米大統領は追加関税を撤回しており、交渉 の余地があることを示した。欧州連合(EU)は、鉄鋼とアルミニウムを巡る米国の関 税に対抗し、来月から260億ユーロ相当の米国製品に関税を課すと発表した。カナダ のルブラン財務相は対抗措置として、米国からの輸入品に対して298億カナダドル相 当の報復関税を課すと発表した。米大統領はEUが米国産ウイスキーへの課税措置を撤 廃しなければ、EUから輸出されるワインやシャンパンなど全てのアルコール製品に 200%の関税を課すと述べた。また4月2日に全ての貿易相手国に対して相互関税を 課す計画を変える考えはないとした。貿易戦争の行方を引き続き確認したい。 2月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は15万1000人増加した。伸び は前月の12万5000人増から加速したものの、事前予想の16万人増を下回った。 失業率は4.1%と前月の4.0%から上昇した。2月の米消費者物価指数(CPI) は前年比2.8%上昇と前月の3.0%から伸びが鈍化し、事前予想の2.9%を下回 った。米生産者物価指数(PPI)は前月比で7カ月ぶりに横ばいとなった。事前予想 は0.3%上昇。前年比では3.2%上昇と前月の3.7%上昇から伸びが鈍化した。 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、トランプ新政権の政策が経済にどのよう な影響を与えるかがより明確になるまで、米FRBは利下げを急ぐつもりはないとの見 解を示した。CMEのフェドウォッチでは、次の利下げは6月になるとみられている。 【ロンドンのプラチナETF残高が増加】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、12日のロンドンで20.06トン (前週末19.96トン)に増加、13日のニューヨークで33.22トン(同 33.22トン)、12日の南アで10.71トン(同10.71トン)と変わらずと なった。またパラジウムETFの現物保有高はロンドンで4.16トン(同4.16ト ン)、ニューヨークで11.47トン(同11.47トン)、南アで0.24トン(同 0.24トン)と変わらずとなった。堅調に推移するなか、ロンドンのプラチナETF 残高が増加した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、 3月4日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万3852枚(前 週1万6176枚)に縮小、パラジウムの売り越しは8519枚(同8134枚)に拡 大した。 【1〜2月の中国の自動車販売は前年比1.3%増】 中国乗用車協会(CPCA)によると、1〜2月の中国の乗用車販売台数は前年同期 比1.3%増となった。購入補助のほか、スマートEV(電気自動車)の価格競争が寄 与した。2月のEVとプラグイン・ハイブリッドの販売台数は前年比79.7%増。乗 用車販売全体に占めるシェアは48.8%で、ガソリン車を3カ月連続で下回った。一 方、中国全人代で今年の経済成長率の目標を5%前後とした政府活動報告などを承認し た。また国防費の7.2%増加などを盛り込んだ予算案を承認した。中国政府は景気が 減速するなか、積極的な財政出動などを通じて景気を下支えする姿勢を示した。ただ米 国との貿易戦争の激化が懸念されるなか、中国経済が成長を維持できるかが今後の焦点 である。上海プラチナの出来高は、週初は高水準だったが、戻り場面で減少し、高値で の買いは見送られた。 当面の予定(イベント・経済統計) 17日 中国住宅価格指数 2025年2月(国家統計局) 中国小売売上高 2025年2月(国家統計局) 中国鉱工業生産 2025年2月(国家統計局) 米小売売上高 2025年2月(商務省) 米製造業景況指数 2025年3月(ニューヨーク連銀) 米企業在庫 2025年1月(商務省) 18日 日銀金融政策決定会合(19日まで) ユーロ圏貿易収支 2025年1月(EUROSTAT) 独景況感指数 2025年3月(ZEW) 米住宅着工・許可件数 2025年2月(商務省) 米輸出入物価指数 2025年2月(労働省) 米鉱工業生産・設備稼働率 2025年2月(FRB) 米連邦公開市場委員会(FRB、19日まで) 19日 機械受注 2025年1月(内閣府) 貿易収支 2025年2月速報(財務省) 日銀総裁記者会見 ユーロ圏消費者物価指数 2025年2月確報(EUROSTAT) 米FOMC声明文公表(FRB) 対米証券投資 2025年1月(財務省) 20日 ●春分の日 英雇用統計 2025年2月(国立統計局) 政策金利公表(英中銀) 政策金利公表(スイス国立銀行) 政策金利公表(南アフリカ準備銀行) 米経常収支 2024年10-12月期(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米製造業景況指数 2025年3月(フィラデルフィア連銀) 米中古住宅販売統計 2025年2月(全米不動産協会) 21日 ●南ア(人権記念日) 消費者物価指数 2025年2月(総務省) ユーロ圏国際収支 2025年1月(ECB) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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