[本日の見通し]石油=堅調、米石油企業は支離滅裂な政権運営に苦しむ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 日中取引開始後、原油の2025年8月限は堅調。ただ、夜間取引の値幅内を維持し
ている。
 米ダラス連銀が発表した四半期エネルギー調査では、年末のWTIの価格見通しの中
央値は70.00〜74.99ドルだった。足元の水準と比較するとやや楽観的だが、
石油関連企業から寄せられたコメントはほぼ悲観である。「これまでの2025年を表
すキーワードは不確実性」、「事業の暗黙の資本コストは著しく上昇」、「政権の混乱
は商品市場にとって災難。ドリル、ベイビー、ドリルは神話とポピュリストの叫びでし
かない。関税政策は予測不可能で、明確な目標もない」などと、トランプ米政権に対す
る批判でほぼ埋め尽くされている。
 特に、トランプ政権が1バレル=50ドルを目指していることについて懸念が強く、
非現実性や矛盾が指摘されている。関税により設備投資コストがすでに拡大しているに
も関わらず、掘って掘って掘りまくり、米国が世界におけるエネルギー支配を成し遂げ
るのは空想のしすぎである。中東の地政学的なリスクを高めているのもトランプ政権で
あり、エネルギー政策は支離滅裂だ。不確実性が導くのは、設備投資の萎縮だと思われ
る。
 時間外取引でニューヨーク原油5月限は前日比0.16ドル高の69.81ドルで推
移。本日これまでのレンジは69.62〜69.96ドル。
 原油8月限の予想レンジは6万6100円から6万7100円、ガソリン先限は8万
7500円から8万8500円、灯油先限は8万7500円から8万8500円。
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