【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における4月 22日時点の大口投機家の売り越しは411万6077枚となり、前週の408万 9941枚から拡大した。取組高合計は4577万2735枚となり、前週から29万 7937枚(0.7%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.6%増、債券 合計が1.3%増、為替合計が1.2%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 0.9%減、エネルギー合計は2.3%減、金属合計は0.7%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式、債券で新規売りが新規 買いを上回って売り越しを拡大した。為替は新規買い、買い戻しが入って買い越し(ド ル売り)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、トランプ米大統領がパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の解任を検討し ていると伝えられたことを受けて米FRBの独立性が脅かされるとの懸念が高まった。 ただ米大統領はその後にFRB議長を解任する意向はないとした。一方、中国政府は米 国からの輸入品に対する125%の関税について、一部品目を対象から除外することを 認め、対象となり得る品目について企業側に意見を求めた。米中貿易摩擦が緩和される との期待が高まった。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が17万7814枚買い越し(前週17万 1855枚買い越し)、ユーロは6万5028枚買い越し(同6万9280枚買い越 し)、英ポンドは2万0490枚買い越し(同6509枚買い越し)となった。ユーロ は手じまい売り、新規売りが出て買い越しを縮小した。 商品市場では、原油が石油輸出国機構(OPEC)プラスの減産縮小検討が圧迫要因 になったが、米中貿易摩擦の緩和期待が下支えになった。金は米大統領の連邦準備理事 会(FRB)議長解任検討を受けて史上最高値を更新したのち、利食い売り主導で調整 局面を迎えた。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が17万0955枚買い越し(前 週14万6370枚買い越し)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。ニュ ーヨーク金は17万5378枚買い越し(同20万2210枚買い越し)、ニューヨー ク・プラチナは5677枚買い越し(同6034枚買い越し)に縮小した。金は手じま い売り、新規買いが出て、プラチナは新規売りが新規買いを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが21万9843枚買い越し(前週23万 4182枚買い越し)に縮小、大豆は5万5684枚買い越し(同5万0161枚買い 越し)に拡大した。コーンは新規売りが新規買いを上回り、大豆は新規買いが新規売り を上回った。前週のコーンは、米産地の作付進行が圧迫要因になったが、ドル安見通し が下支えになった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。