ゴム週間見通し=短期的な戻り場面、金融不安がやや緩和

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週までのレビュー】4月限納会は大きく水準を引き下げたことで、先安観が強まる
とみた。短期的な戻りがあっても、売り場提供になると予想した。
【米中貿易摩擦が緩和から戻り場面か】
 JPXゴムRSS3号は、安値圏で強もちあいとなっている。4月第4週、ベッセン
ト米財務長官は米中貿易摩擦が緩和されるとの見通しを示し、米トランプ大統領がパウ
エル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任を否定したことで、マーケットは落ち
着きを取り戻し始めている。これを受けて、JPXゴムRSS3号も底堅く推移してい
る。米トランプ政権が対中貿易戦争の落としどころを見つけたわけではないが、トラン
プ米大統領にとって株価と支持率は生命線だ。目先、株価上昇に繋がりやすい言動が続
くとみられ、JPXゴムRSS3号も戻り場面を迎えるとみる。
 ただ、米国第一主義のトランプ米大統領が本質的に変わることはなく、中長期的に
は、トランプ米政権の政策に起因する政治・金融の不安は続くとみる。
【中国PMIが3カ月ぶりに50割れ】
 4月30日に中国国家統計局から発表された4月の製造業購買担当者景気指数(PM
I)は49.0となり、景況感の分かれ目とされる50.0を3カ月ぶりに下回った。
市場予想は49.8だった。トランプ米大統領は、中国から輸入品に対し145%の関
税を賦課しており、このことがPMIを悪化させた。同時に発表された同月のサービス
業PMIは50.4と前月の50.8から低下した。
 市場では、米国の関税政策による景気減速対策として、中国の中央銀行にあたる人民
銀行が一段の緩和策を打つことや、政府から景気刺激策が発表されるとの見方が出てい
る。景気刺激策が施されると、ゴム相場にとって買い材料になる。
【上海ゴムは安値圏でもみあい】
 上海ゴムの中心限月の9月限は、安値圏でのもみ合いが続いている。3月31日に終
値ベースで1万7000元を下抜くと、4月3日には1万6280元まで下落し、一代
の安値を更新した。さらに米中貿易摩擦が激化したことから、9日には1万4035元
まで下落した。その後の戻りも1万5000元超では、売りを浴びる展開となってい
る。現状、1万4500〜1万5000元前後でのレンジ取引となっている。米中貿易
問題は、双方が歩み寄りとみられる場面になっている。具体的な進捗があれば、レンジ
から上放れ、節目の1万6000元を目指す展開になると考えられる。
【東京ゴム活発限月の10月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の10月限は、安値圏でのもみ合いとなっている。4月か
らの値動きをみると、4月2日(日本時間3日午前5時)に発表された米トランプ政権
の相互関税を嫌気して3日から急落、9日には290.0円まで下落した。14日に3
03.8円まで戻したが、買いは続かずに23日285.0円の一代の安値を付けた。
その後は、285〜295円前後で強もちあいとなっている。
 買いが先行すれば、300円台回復が最初の関門になる。これに成功すれば、4月1
4日の高値303.8円を試そう。同水準を上抜くと、節目の310.0円が意識され
る。一方、下落となれば、一代の安値285.0円が最初の関門。安値更新となれば、
節目の280円や270円を目指すとみる。
【今週の注目ポイント】
 引き続き、トランプ大統領の動向に注目したい。先週は、トリプル安を緩和する目的
か、米トランプ政権から中国やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長に対する
トーンがやや低くなった。トランプ米大統領にとって、株価と支持率が生命線だ。株価
浮上のための発言が相次げば、JPXゴムRSS3号にとっては支援材料になる。
【相場予想レンジ】
 5月5〜9日のJPXゴムRSS3号10月限の中心レンジ予想は280〜310
円。テクニカルの支持線は285.0円(一代の安値)、抵抗線は300.0円(節
目)。
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