ダウ平均、一時1000ドル超の急伸 米中貿易協議進展でリスク選好=米国株序盤

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
NY株式12日(NY時間11:20)(日本時間00:20)
ダウ平均   42208.81(+959.43 +2.33%)
ナスダック   18554.05(+625.13 +3.49%)
CME日経平均先物 38590(大証終比:+890 +2.31%)

 きょうのNY株式市場、ダウ平均は一時1000ドルを超える急伸となっている。週末の米中貿易協議に進展が見られたことで、市場は全体的にリスク選好の雰囲気が強まっている。中国にサプライチェーンを持つ企業を中心にIT・ハイテク株を始め、幅広い銘柄に買いが広がっている。

 米中は週末にスイス・ジュネーブで行った貿易協議で、相互の関税率を一定期間引き下げることで合意。90日間の猶予が設定され、米国は中国に対する関税率を今月14日までに145%から30%に引き下げる。中国も関税率を125%から10%に引き下げる意向。市場からは想定以上の緩和との受け止めも多く、リスク回避の雰囲気を高めているようだ。

 ベッセント財務長官がけさインタビューに応じ、「今後数週間のうちに中国と再協議し、より大規模な合意を締結する見通しだ」と述べた。

 一部からは「貿易に関する不確実性のピークは過ぎたとは思われるものの、市場の変動はさらに続く。ベースシナリオは米国の実効関税率(中国を除く)は年末までに15%程度まで緩和されると考えている」とのコメントも出ていた。

 ダウ平均は4月2日の「解放の日」以降の下げを完全に取り戻し、200日線に顔合わせしている。夏から秋にかけて米経済指標が弱さの兆候を強めるのではとの警戒感も根強い中、このまま再度最高値を目指す展開には懐疑的な見方が多いものの、米株式市場はポジションも軽くなっていることから、ひとまず買い戻しが強まっているようだ。

 今週、投資家は貿易摩擦が経済に与える影響を注視しそうだが、1-3月期決算がピークを過ぎる中、今週は米経済指標も注目。4月の米消費者物価指数(CPI)が明日発表され、小売売上高と生産者物価指数(PPI)が木曜日に発表される予定。また、決算は2-4月期がスタートし、シスコシステムズ<CSCO>やウォルマート<WMT>が週内に発表される。

 IT・ハイテク株に買い戻しが強まる中、アップル<AAPL>が上昇。同社については別のニュースも伝わっており、秋発表のアイフォーンの新モデルで値上げを検討していると報じられた。なお本日の同社株は権利落ち日で、株価は理論上、配当分が差し引かれている。

 ボーイング<BA>が上昇。本日の市場は米中協議進展への期待からリスク選好の雰囲気が広がる中、同社株も上昇。中国の航空会社がトランプ関税の問題で同社製航空機の受領を拒否するのではとの警戒感が出ていたが、中国が米輸入品への関税を10%まで引き下げたことで、新型機の納入を再開する可能性が出てきたとみられている。

 決済システムを手掛けるACIワールドワイド<ACIW>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げた。目標株価は従来の60ドルを維持。同社の堅調な第1四半期決算を理由に挙げている。

 カナダのeコマースのショッピファイ<SHOP>が大幅高。ナスダックが金曜日にナスダック100指数の算出銘柄に同社を採用すると発表したことが買い手掛かり。

ボーイング<BA> 197.71(+2.86 +1.47%)
ACI<ACIW> 48.01(+1.45 +3.11%)
ショッピファイ<SHOP> 102.75(+10.98 +11.96%)

アップル<AAPL> 208.41(+10.14 +5.11%)
マイクロソフト<MSFT> 442.92(+4.19 +0.96%)
アマゾン<AMZN> 207.02(+13.96 +7.23%)
アルファベットC<GOOG> 158.71(+4.33 +2.80%)
アルファベットA<GOOGL> 157.08(+4.33 +2.83%)
テスラ<TSLA> 318.62(+20.36 +6.83%)
エヌビディア<NVDA> 121.59(+4.94 +4.23%)
メタ<META> 631.55(+39.06 +6.59%)
AMD<AMD> 107.72(+4.88 +4.75%)
イーライリリー<LLY> 752.91(+18.34 +2.50%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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