[今日の視点]貴金属=堅調、ムーディーズの米国債格下げで

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、総じて上昇して寄り付く見通し。金はムーディーズの米国債格下げを受け
て買い優勢となろう。銀は8月限が夜間取引で下落した。プラチナ系貴金属(PGM)
はプラチナが金堅調につれ高となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は25.88ドル高
の3241.42ドル、銀が5セント高の3241セント、プラチナが3.15ドル高
の991.50ドル、パラジウムは11.00ドル高の968.00ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=145.04/06円で、前営業日の
大引け時点から0.10円の円高。
 先限の寄り付き目安は、金が1万5200円前後、銀は155.0円前後、プラチナ
は4485円前後、パラジウムは4500円前後。
【NY金はドル高が圧迫】
 金は前週末の海外市場は、ドル高を受けて売り優勢となった。
 金はドル高が圧迫要因になった。4月の米輸入物価指数は前月比0.1%上昇。資本
財コストの急増がエネルギー製品の価格低下を相殺し、予想外の上昇となった。5月の
米ミシガン大消費者信頼感指数速報値は50.8に低下し、市場予想の53.4を下回
った。ただ1年先の期待インフレ率は7.3%と、1981年11月以来の水準に上昇
した。
 米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは、米国の長期発行体格付けと無担保優
先債格付けを最上位の「Aaa(トリプルA相当)」から「Aa1(ダブルAクラ
ス)」に1段階引き下げたと発表した。格下げの理由について「歴代の米政権と議会
は、巨額の年間財政赤字と金利負担の増加傾向を反転させる措置で合意できなかった」
と指摘した。週明けは米国売りが再開し、金の下支え要因になった。
 トランプ米大統領は17日、ロシアのプーチン大統領およびウクライナのゼレンスキ
ー大統領と19日に個別に電話協議を行う予定だと明らかにした。トルコで16日に行
われたロシアとウクライナによる約3年ぶりの直接交渉は大規模な捕虜交換で合意した
ものの、ウクライナが要求する停戦で合意できなかった。
 銀は前週末の海外市場は、ドル高や金軟調を受けて売り優勢となった。
【NYプラチナはドル高や金軟調が圧迫】
 プラチナは前週末の海外市場では、ドル高や金軟調を受けて売り優勢となった。
 プラチナはドル高や金軟調が圧迫要因になった。米経済指標を受けてドル高に振れ
た。一方、米格付け会社ムーディーズの米国債格下げを受けて週明けに米国売りの動き
が出たことが下支えになった。
<今日の予定>
●カナダ(ビクトリア女王誕生日)
・中国住宅価格指数 2025年4月(国家統計局)
・中国小売売上高 2025年4月(国家統計局)
・中国鉱工業生産 2025年4月(国家統計局)
・ユーロ圏消費者物価指数 2025年4月確報(EUROSTAT)
MINKABU PRESS 東海林勇行

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。