貴金属は、金が反発して寄り付く見通し。金はドル建て現物相場の上昇を受けて買い 優勢となろう。銀はまちまちの値動きとなろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチ ナがニューヨーク安を受けて軟調となろう。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は19.41ドル高 の3315.35ドル、銀が1セント高の3310セント、プラチナが15.06ドル 安の1057.20ドル、パラジウムは4.38ドル高の972.73ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=143.79/81円で、前営業日の 大引け時点から0.01円の円高。 先限の寄り付き目安は、金が1万5410円前後、銀は157.0円前後、プラチナ は4690円前後、パラジウムは4700円前後。 【週明けの金は米中対立や米国の鉄鋼関税引き上げが支援】 金は前週末の海外市場は、調整局面を継続するなか、戻りを売られた。 金は調整局面を継続した。トランプ米大統領は、中国が相互に関税率を引き下げる米 国との合意のほか、重要鉱物の取引に関する合意にも違反したと主張し、中国に対し厳 しい措置を取る可能性を示唆した。また中国の習近平国家主席と会談するとの見通しも 示した。一方、4月の米個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.1%上昇し た。伸びは前月の2.3%から鈍化した。米国の関税措置を巡る状況が常に変化し、経 済的な不確実性が高まるなか、家計が消費よりも貯蓄に資金を振り向けていることが背 景にあるとみられる。5月のミシガン大消費者信頼感指数確報値は52.2となり、速 報値の50.8から上方修正された。1年先のインフレ期待は6.6%と速報値の 7.3%から下方修正された。 トランプ米大統領は30日、ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外の製鉄所で、輸入さ れる鉄鋼とアルミニウムに課す追加関税を2倍の50%に引き上げる計画を表明した。 6月4日から実施されるという。欧州委員会は31日、米大統領が打ち出した輸入鉄鋼 とアルミニウムへの関税倍増計画に対して、報復する用意があると強調した。一方、中 国外務省は、アジア安全保障会議「シャングリラ対話」でのヘグセス米国防長官による 台湾などに関する発言に対し、「強い不満」を表明した。ヘグセス長官は、シンガポー ルで開催中の同会議での演説で、中国による台湾侵攻の可能性に備えるため、より強い 危機感を持つ必要があると訴え、アジアの同盟国に防衛費を国内総生産(GDP)の 5%に向け引き上げるよう求めた。 銀は前週末の海外市場は、金軟調を受けて戻りを売られた。 【プラチナは金軟調につれ安】 プラチナは前週末の海外市場では、金軟調につれ安となった。 プラチナは調整委局面を継続するなか、金軟調につれ安となった。米中の対立に対す る懸念も下げ要因である。トランプ米大統領は、中国の習近平国家主席と会談するとの 見通しも示しており、協議の行方を確認したい。また米大統領は30日、ペンシルベニ ア州ピッツバーグ郊外の製鉄所で、輸入される鉄鋼とアルミニウムに課す追加関税を2 倍の50%に引き上げる計画を表明した。 <今日の予定> ●ニュージーランド(女王誕生日)、中国(端午節) ・ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年5月確報(Markit) ・米建設支出 2025年4月(商務省) ・米製造業景況指数 2025年5月(ISM) MINKABU PRESS 東海林勇行
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