【場況】 金はまちまち。ドル建て現物相場の上昇を受けて買い優勢で始まった。その後は、円 高やドル建て現物相場の上げ一服に上値を抑えられ、期先3本がマイナスサイドに転じ た。銀の商いは成立しなかった。 午前11時1分現在の前営業日比は、金標準が25円安〜31円高、金ミニが 20.5円安〜0.5円高、ゴールドスポットが496円高、銀が出来ず。 午前11時1分現在の出来高は、金が1万8410枚、金ミニが6525枚、ゴール ドスポットが1597枚、銀が0枚。 【週明けの金は米中対立や米国の鉄鋼関税引き上げが支援】 金は調整局面を継続した。トランプ米大統領は、中国が相互に関税率を引き下げる米 国との合意のほか、重要鉱物の取引に関する合意にも違反したと主張し、中国に対し厳 しい措置を取る可能性を示唆した。また中国の習近平国家主席と会談するとの見通しも 示した。一方、4月の米個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.1%上昇し た。伸びは前月の2.3%から鈍化した。米国の関税措置を巡る状況が常に変化し、経 済的な不確実性が高まるなか、家計が消費よりも貯蓄に資金を振り向けていることが背 景にあるとみられる。5月のミシガン大消費者信頼感指数確報値は52.2となり、速 報値の50.8から上方修正された。1年先のインフレ期待は6.6%と速報値の 7.3%から下方修正された。 トランプ米大統領は30日、ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外の製鉄所で、輸入さ れる鉄鋼とアルミニウムに課す追加関税を2倍の50%に引き上げる計画を表明した。 6月4日から実施されるという。欧州委員会は31日、米大統領が打ち出した輸入鉄鋼 とアルミニウムへの関税倍増計画に対して、報復する用意があると強調した。一方、中 国外務省は、アジア安全保障会議「シャングリラ対話」でのヘグセス米国防長官による 台湾などに関する発言に対し、「強い不満」を表明した。ヘグセス長官は、シンガポー ルで開催中の同会議での演説で、中国による台湾侵攻の可能性に備えるため、より強い 危機感を持つ必要があると訴え、アジアの同盟国に防衛費を国内総生産(GDP)の 5%に向け引き上げるよう求めた。 金先限は1万5411円で上げ一服となり、1万5332円まで下落した。ドル建て 現物相場の上昇が支援要因になった。円相場は1ドル=143円台前半の円高に振れ た。米連邦準備理事会(FRB)のウォーラー理事は、トランプ政権の関税政策により 一時的に物価圧力が高まる可能性があるものの、年内に追加利下げを行う可能性はなお あるとの認識を示した。 【ドル建て現物相場】 金のドル建て現物相場は、堅調。前週末の海外市場は、調整局面を継続するなか、戻 りを売られた。アジア市場では、米中の対立に対する懸念や、米大統領が輸入される鉄 鋼とアルミニウムに課す追加関税を2倍の50%に引き上げる計画を表明したことを受 けて3315ドル台まで上昇した。 午前11時現在、金が3303.45ドル、銀は3298セントで推移。前営業日の 大引け時点は金が3295.94ドル、銀が3309セント。 MINKABU PRESS
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