【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における5月 27日時点の大口投機家の売り越しは496万0047枚となり、前週の498万 9654枚から縮小した。取組高合計は4779万6376枚となり、前週から23万 6708枚(0.5%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.2%減、債券 合計が0.3%増、為替合計が2.0%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 0.7%増、エネルギー合計は0.9%増、金属合計は0.8%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買い、買い戻しが 入って売り越しを縮小、債券で手じまい売りが買い戻しを上回って売り越しを拡大し た。為替は新規買い、買い戻しが入って買い越し(ドル売り)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、トランプ米大統領が、欧州連合(EU)に対する50%の関税発動期限を7 月9日まで延長した。一方、米国際貿易裁判所は米大統領の世界的な関税措置を巡り、 違法だとして阻止する判断を下したが、米連邦高裁は関税の大半を違法とした判断につ いて、一時的な執行の差し止めを命じた。米大統領は中国の習主席と会談する見通しと しており、米中の貿易戦争の行方を確認したい。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が16万4012枚買い越し(前週16万 7330枚買い越し)、ユーロは7万9474枚買い越し(同7万4453枚買い越 し)、英ポンドは3万5379枚買い越し(同2万3993枚買い越し)となった。ユ ーロは買い戻しが手じまい売りを上回って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油がロシアと北大西洋条約機構(NATO)の対立が支援要因とな ったが、トランプ関税違法判断の差し止めや石油輸出国機構(OPEC)プラスの追加 増産検討を受けて戻りを売られた。金は米大統領が欧州連合(EU)に対する関税発動 を延期したことなどを受けて売り優勢となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が16万5694枚買い越し(前 週18万6420枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨ ーク金は17万4184枚買い越し(同16万3981枚買い越し)、ニューヨーク・ プラチナは2万5343枚買い越し(同1万7396枚買い越し)に拡大した。金は買 い戻しが手じまい売りを上回り、プラチナは新規買いが新規売りを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが2万0333枚売り越し(前週1万1552 枚売り越し)、大豆は7万2561枚買い越し(同4万7913枚買い越し)に拡大し た。コーンは手じまい売りが買い戻しを上回り、大豆は新規買い、買い戻しが入った。 前週のコーンは、米国の順調な生育などを受けて売り優勢となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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