【前週のレビュー】ニューヨーク原油7月限は60〜65ドルのエリアでのもみ合い。 目先はこれをどちらに放れるのか、あるいはしばらくこのエリアでのもみ合いが続くの かが焦点となるとした。 【NY原油はもみ合いレンジの上限を伺う展開】 ニューヨーク原油7月限は引き続き60〜65ドルのエリアでのもみ合いとなってい るが、このところはその上限に近い64ドル近辺を通るボリンジャーバンドの2シグマ を試す展開となっている。まだ5月21日の高値である64.19ドルを上抜けるには 至っていないが、目先はこれを上抜けるのか否かが注目される。 材料的には、直近に実施された米中電話首脳会談で、両国間の貿易摩擦やレアアース (希土類)が議論されて、通商交渉団が近く協議を持つことが明らかにされたことで、 貿易問題に対する協議の進展が期待されている。ただ6日に5月の米雇用統計の発表を 控えていることもあり、原油は一気に上値を更新するような急伸とはならなかった。 それ以外の材料としては、石油輸出国機構(OPEC)プラスが7月に日量41万 1000バレルの増産で合意したことについては、もっと大幅増が予想されていたとの 見方で無理やり強材料視された感があったが、カナダの産油地アルバータ州で発生した 山火事による供給懸念、イランが核開発問題を巡る米政府の提案を拒否する構えを見せ ていることなど、どちらかと言えば支援材料の方が多くなっている。 なお、米大手金融機関、ゴールドマンサックスは、OPECプラスの増産は8月まで 同規模で続き、8月が最後になるとの見通しを明らかにしている。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は4万2000ドルを挟んだもみ合い の様相となっている。 ドルインデックスは100ポイント台を割り込み、99ポイントを挟んだもみ合いに レンジダウンしてきた。 【アジア向け7月積みのOSPを軒並み引き下げ=サウジアラムコ】 サウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコは4日、アジア向けの7月積み公式 販売価格(OSP)フォーミュラを発表したが、スーパーライト原油、エクストラライト 原油、ライト原油をすべて0.20ドル引き下げ、ミディアム原油も0.10ドル引き 下げた。ライト原油は1.20ドルのプレミアムとなった。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である11月限はボリンジャーバンドの−1シグマ(5万4770 円辺り)割れから戻して来たが、直近は21日移動平均線であるボリンジャーバンドの 中心線(5万5840円辺り)を挟んだもみ合いとなっている。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油7月限はボリンジャーバンドの中心線(61.60ドル辺り)を支 持線としたもみ合いから上昇して、1シグマ(62.90ドル辺り)を挟んだもみ合い となっているが、2シグマ(64.21ドル辺り)を上抜けるような勢いはない。 ブレント原油8月限も似た値動きとなり、直近はボリンジャーバンドの1シグマ (65.27ドル辺り)を挟んだもみ合いとなっている。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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