【前週までのレビュー】米中通商協議の停滞や中国の自動車販売台数カサ増し問題か ら、売りが先行するとみた。 【上値の重い展開】 JPXゴムRSS3号は、戻り一服となった。活発限月の11月限は、3日に一代の 安値280.0円を付けた後、戻り場面となり11日に300.6円まで水準を引き上 げた。しかし、同水準では戻り売りを浴び、290円付近まで押し戻された。 日本時間の11日朝、ロンドンで行われていた閣僚レベルの米中通商協議が合意に達 した。5月にスイスで結んだ合意内容を履行することで両国は一致したようだ。ただ、 これにより目先の強材料は出尽くしたと考えられる。このため、短期的には上値の重い 展開が予想される。 【上海ゴムは戻りを試す】 上海ゴムの中心限月の9月限は、4月中旬から続いた1万4500〜1万5000元 前後のレンジ相場から下放れた。5月28日に4月9日に付けた一代安値1万4035 元を下抜くと、節目の1万4000元も割り込み、6月4日には1万3295元まで水 準を引き下げた。だが、同水準で支持されると、その後は戻り歩調となっている。目先 のポイントは、節目の1万4000元の攻防になる。同水準を上抜くと1万4000〜 1万5000元のレンジ相場に戻りそうだ。 【中国消費者物価は4カ月連続マイナス】 9日に中国国家統計局が発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年比0. 1%下落となり、4カ月連続のマイナスとなった。原油安を背景に、燃料価格の下落が 指数を押し下げた。ただ、市場予想の0.2%下落は上回った。なお、食品とエネルギ ーを除くコア指数は0.6%上昇し、4月の0.5%上昇から伸び率が拡大。しかしな が、依然として1%以下の推移が続いており、デフレ懸念は解消されていない。また、 同時に発表された5月の生産者物価指数(PPI)は、前年比3.3%下落となり、2 年8カ月連続のマイナスとなった。4月の2.7%下落からマイナス幅が拡大してお り、市場は追加の経済対策を待つ状況となっている。 【東京ゴム活発限月の11月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の11月限は、3日に一代安値を付けてから戻り場面とな っていたが、戻りも一服となっている。5月からの値動きをみると、上海高などを背景 にジリジリと水準を引き上げると、5月27日に330.2円の高値を付けた。だが、 同水準では売り圧力が強く、上海ゴムが下値を模索する展開になったこともり、売りが 先行、6月3日には一代の安値となる280.0円まで下落した。その後は戻り歩調と なり、11日には300.6円まで引き上げた。だが、300円付近では戻り売り圧力 が強く、290円付近まで押し戻されている。 売りが先行すれば、節目の285円前後が意識される。同水準を下抜くようなら、一 代の安値280.0円が視野に入る。一方、買い優勢となれば、300円の攻防にな る。5月27日から6月3日までの下落の38.2%戻しが299円台であり、300 円付近は引き続き、戻り売り圧力が強そうだ。同水準を突破すれば、上記した期間の半 値戻しがある305円台や節目の310円台が意識される。 【今週の注目ポイント】 中東情勢に注目したい。中東情勢の緊張から原油価格が急騰しており、合成ゴム高が 連想される。これを受けて、天然ゴムにも連想買いが入りやすい。ただ、地政学リスク の高まりや戦時下の商品価格の急騰は、ほどなくして急落することがあるので注意した い。 【相場予想レンジ】 6月16〜21日のJPXゴムRSS3号11月限の中心レンジ予想は280〜33 0円前後。テクニカルの支持線は285.0円(節目)、抵抗線は300.6円(6月 11日高値)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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