[6月16日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2026 年 4 月限 6 月 9 日〜 6 月 13 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 15,662 15,948 (13) 15,416 ( 9) 15,887 +207 銀 166.5 171.0 (12) 166.3 ( 9) 168.0 +0.1 プラチナ 5,087 5,548 (12) 5,048 ( 9) 5,490 +375 パラジウム 4,900 4,900 (10) 4,600 ( 9) 4,900 +300 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 13 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 8) 3,452.8 +106.2 | ドル・円 143.58 0.49 円高 銀 ( 7) 3,635.5 +21.6 | 日経平均 37,834.25 +92.64 プラチナ ( 7) 1,211.9 +43.8 | NY原油 ( 7) 72.98 +8.40 パラジウム ( 9) 1,046.30 -18.20 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 13日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は米中の貿易交渉待ちでもみ合い、とした。 金は米中の通商協議を控えて手じまい売りが出たが、トランプ米大統領の関税発言や 予想以下のインフレ指標によるドル安、中東情勢の緊張の高まりを受けて押し目を買わ れた。現物相場は4月22日以来の高値3443.39ドルを付けた。金先限は上場来 高値1万5948円を付けた。 ラトニック米商務長官は、ロンドンで2日間にわたって行った米中の通商協議を受 け、中国のレアアース(希土類)輸出規制を解消する枠組みで合意したと発表したが、 両国間の対立が永続的に解決される兆しはほとんど見られなかった。トランプ米大統領 は、貿易を巡る中国とのディールが完了し、中国はレアアース類を供給する一方、米国 は中国人学生の大学入学を認めると明らかにした。また米大統領は、米国の高関税の発 動前に各国との貿易交渉を完了させる期限を現行の7月8日から延長しても構わない が、その必要はないと考えていると述べた。米国は今後1〜2週間以内に、数十カ国に 合意条件をまとめた書簡を送り、各国はそれを受け入れるか拒否するかを決めると述べ た。 5月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇し、伸びは4月の2.3% 上昇からやや加速した。ガソリン価格の低下で家賃の上昇が相殺されたことで、伸びは 事前予想の2.5%を下回った。5月の米生産者物価指数(PPI)は前年比2.6% 上昇し、伸びは4月の2.5%上昇から加速した。ただ前月比では0.1%上昇し、事 前予想の0.2%上昇を下回った。航空運賃などサービスコストが低下した。米新規失 業保険申請件数は24万8000件と前週からほぼ横ばいで推移した。8カ月ぶりの高 水準を維持し、労働市場の状況が引き続き緩和していることを示唆した。事前予想は 24万件。予想以下のインフレ指標を受け、CMEのフェドウォッチでは、米連邦準備 理事会(FRB)が9月以降、2回の利下げを実施するとの見方が強まった。 【金ETF残高は増加】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は12日時点で 1124.44トンとなり、前週末比1.91トン増加した。米国で3.70トン、オ ーストラリアで0.10トン、南アで0.12トン増加、英GBSで0.01トン、英 ETFSで1.99トン減少した。米中の通商協議を控えて投資資金が流出したが、ト ランプ米大統領の関税発言やドル安を受けて押し目を買われた。一方、米商品先物取引 委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月3日時点のニューヨーク金の大口投 機家の買い越しは18万7905枚となり、前週の17万4184枚から拡大した。今 回は新規買いが1万2895枚、買い戻しが826枚入って、1万3721枚買い越し 幅を拡大した。 トランプ米大統領は11日、「中東は危険な場所になり得る」として米軍関係者の撤 収を示唆した。イランのナシルザデ国防軍需相はこれに先立ち、同国国営通信などに対 し、対米交渉が決裂した場合、中東地域の米軍基地への攻撃を示唆した。米国がウラン 濃縮活動の停止を求める一方、イランは平和利用が目的として譲歩を拒み、双方の主張 は平行線をたどっている。一方、国際原子力機関(IAEA)は定例理事会で、イラン が核不拡散義務に違反しているとして同国を非難する決議を採択した。これに対してイ ランは対抗措置を発表した。目先は米国とイランの第6回高官協議が15日に予定され ており、内容を確認したい。また米国の情報機関によると、イスラエルはイランの核施 設を攻撃する準備を進めている。イスラエル軍は13日、イラン各地の核関連施設を含 む数十カ所の軍事施設を空爆したと表明した。カッツ国防相はイランに「先制攻撃」を 実施し、反撃を想定して特別非常事態宣言を発令すると発表した。 【銀は13年ぶり高値後に上げ一服】 銀の現物相場はドル安を受けて2012年2月以来の高値36.87ドルを付けたの ち、利食い売りなどが出て上げ一服となった。米中の通商協議で合意に達したが、トラ ンプ米大統領が各国との貿易交渉で関税について発言したことやドル安が再開したこと が下支え要因である。 12日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比19.79ト ン増の1万4729.08トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の 建玉明細報告によると、6月3日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは6万 0770枚となり、前週の5万3012枚から拡大した。新規買いが新規売りを上回っ た。 当面の予定(イベント・経済統計) 16日 ●南ア(青年の日) 金融政策決定会合(日本銀行)1日目 中国住宅価格指数 2025年5月(国家統計局) 中国小売売上高 2025年5月(国家統計局) 中国鉱工業生産 2025年5月(国家統計局) 米製造業景況指数 2025年6月(ニューヨーク連銀) 17日 総裁記者会見(日本銀行) 独景況感指数 2025年6月(ZEW) 米小売売上高 2025年5月(商務省) 米輸出入物価指数 2025年5月(労働省) 米鉱工業生産・設備稼働率 2025年5月(FRB) 米企業在庫 2025年4月(商務省) 米連邦公開市場委員会(FRB)1日目 18日 機械受注 2025年4月(内閣府) 貿易収支 2025年5月速報(財務省) 英消費者物価指数 2025年5月(国立統計局) ユーロ圏国際収支 2025年4月(ECB) ユーロ圏消費者物価指数 2025年5月確報(EUROSTAT) 米住宅着工・許可件数 2025年5月(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 対米証券投資 2025年4月(財務省) 米連邦公開市場委員会(FRB)声明発表 19日 ●米国(奴隷解放記念日) 英中銀(BOE)政策金利公表 スイス国立銀行政策金利公表 20日 消費者物価指数 2025年5月(総務省) 金融政策決定会合議事要旨公表 4月30-5月1日分(日本銀行) 独生産者物価指数 2025年5月(連邦統計庁) 英小売売上高 2025年5月(国立統計局) 米製造業景況指数 2025年6月(フィラデルフィア連銀) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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