●週間見通し金、地政学リスク織り込むと3500ドルも=マーケットエッジ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 前週は終値では過去最高値を更新する展開になった。根強い通商リスク、景気減速懸
念、更にインフレ抑制による早期利下げ期待を背景に、3300ドル台で下値を固める
展開になっていた。米金利低下、ドル安圧力もポジティブ。こうした中、週末を前にイ
スラエルがイランに対する攻撃に踏み切ると、地政学リスクの織り込みもあり、一気に
3400ドル台中盤まで値上がりする展開になった。株価急落、原油相場急伸など、不
安定化するマーケット環境が、金相場の上昇に直結した。
 今週も底固い展開が続く見通し。中東情勢のリスク評価は短期間で大きく揺れ動く可
能性があるが、イスラエルとイランの交戦状態が続くのであれば、金相場に対する買い
が膨らみやすい。先行き不透明感へのリスクヘッジ強化が求められよう。特に株価急落
といった動きがみられると、一気に3500ドル台まで上昇する可能性もある。米連邦
公開市場委員会(FOMC)では政策調整は想定されておらず、今後の政策見通しにつ
いて明確なガイダンスを示すこともないだろう。小売売上高、鉱工業生産が低調な数値
になると、改めて米金利低下・ドル安環境からの支援も受けやすくなる。
 予想レンジは3380〜3520ドル。
(マーケットエッジ・小菅 努)

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