CFTC大口投機資金動向(6/10時点):原油買いが拡大

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における6月
10日時点の大口投機家の売り越しは512万9670枚となり、前週の489万
2224枚から拡大した。取組高合計は4721万3134枚となり、前週から73万
6727枚(1.6%)増加した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が4.3%増、債券
合計が1.9%増、為替合計が4.7%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
2.7%減、エネルギー合計は1.1%増、金属合計は1.5%増となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式、債券で手じまい売り、
新規売りが出て売り越しを拡大した。為替は新規買い、買い戻しが入って買い越し(ド
ル売り)を拡大した。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、米中の通商協議で合意に達したが、トランプ米大統領が各国との貿易交渉で
関税を通知すると発表すると、ドル安が再開した。予想以下のインフレ指標もドル安要
因となった。一方、イスラエルがイランの核施設や軍事施設を空爆し、中東の緊張が高
まった。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が14万4595枚買い越し(前週15万
1149枚買い越し)、ユーロは9万3025枚買い越し(同8万2764枚買い越
し)、英ポンドは5万1634枚買い越し(同3万5215枚買い越し)となった。ユ
ーロは新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。

 商品市場では、原油がイスラエルのイラン攻撃を受けて急伸し、1月21日以来の高
値77.62ドルを付けた。金はドル安や予想以下のインフレ指標、イスラエルのイラ
ン攻撃を受けて買い優勢となり、4月22日以来の高値3445.87ドルを付けた。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が19万1941枚買い越し(前
週16万7957枚買い越し)に拡大した。新規買い、買い戻しが入った。ニューヨー
ク金は18万7481枚買い越し(同18万7905枚買い越し)に縮小、ニューヨー
ク・プラチナは2万6979枚買い越し(同2万0049枚買い越し)に拡大した。金
は手じまい売りが買い戻しを上回り、プラチナは新規買い、買い戻しが入った。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが9万5494枚売り越し(前週8万1059
枚売り越し)に拡大、大豆は7万0396枚買い越し(同5万9947枚買い越し)に
拡大した。コーンは新規売りが新規買いを上回り、大豆は買い戻しが手じまい売りを上
回った。前週のコーンは、米産地の生育進行観測が圧迫要因になったが、需給引き締ま
り観測が下支えになった。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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