【前週のレビュー】ニューヨーク原油8月限のここまでの高値は75.50ドルで、昨 年7月に付けた一代高値の76.15ドルをまだ上抜けていない。したがって目先の上 値目標は76.15ドル、さらに期近つなぎ足ベースでは、7月限が13日に付けた 77.62ドル辺りとなる。仮にこれらを上抜けるような事態となれば、80ドルの節 目を目指している可能性が高くなろうとした。 【NY原油は急騰後に暴落で64ドルの安値】 ニューヨーク原油は凄まじい乱高下となった。8月限は米国がイランの核施設を攻撃 したことで、週明けの23日に78.40ドルまで急騰。一代高値の76.15ドル、 13日に付けた期近つなぎ足の高値77.62ドルも上回った。しかし攻撃は一時的な ものとなり、また実際に同国の原油供給に障害も発生していないことで、その日のうち に大きく崩れて、翌24日には64.00ドルの安値を付けて、何と2営業日で高値か ら安値で14.40ドルも暴落することになった。そのあと現状はひとまず下げ渋り模 様となっている。 チャート上は、4月9日の一代安値54.13ドルから前述の一代高値78.40ド ルまでの上げ幅の半値押し(66.27ドル辺り)を達成しており、61.8%押し (63.40ドル辺り)で下げ止まるの否かが目先の焦点となる。なお、本稿執筆時の 27日のアジアの時間帯の午後には65ドル半ばで推移している。 材料的には、13日にイスラエル、21日には米国がそれぞれイランの核関連施設な どを空爆したが、その後23日にはトランプ米大統領がイスラエルとイランの停戦合意 を発表したことて、一応の落ち着きを取り戻している。ただまだ火種は燻っていると見 た方がいいだろう。引き続き注目したい。 イスラエルが暗殺に失敗したとしているイランの最高指導者ハメネイ師はイスラエル との戦争に勝利したと主張して、米国の介入は何の成果も生まなかったと述べた。 またイランが米国の空爆前に核開発施設から濃縮ウランを搬出した可能性が報道され ているが、ヘグセス米国防長官はこれを否定。ただ、イランが今後の核査察を拒否する 姿勢を見せているため懸念は続くだろう。、 一方、米国はイランを交渉のテーブルに引き戻すため、民生用核開発プログラム用に 300億ドルの資金供与や制裁緩和、凍結資金の解除などを検討していることが報じら れているが、イランは協議に応じる姿勢を見せていない。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は高値もみ合いからその上限を更新し て4万3000ドル台に乗せてきた。 ドルインデックスは再び底割れして97ポイント台を割り込んできた。 【米国、ドライブシーズン入りでガソリン需要が好調】 中東の地政学的リスク以外の要因としては、ドライブシーズンに入り、米国のガソリ ン需要が好調なことにも注目したい。 米エネルギー情報局(EIA)の週報では、原油在庫が前週比583万6000バレ ル減の4億1511万バレル、ガソリン在庫が同207万5000バレル減の2億 2794万バレル、留出油在庫が406万6000バレル減の1億0533万バレルと 軒並み急減していたうえ、製油所稼働率が94.7%と今年最高となり、ガソリン需要 の4週間平均も日量910万5000バレルと今年最高となった。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である11月限はボリンジャーバンドの2シグマ(6万5870円 辺り)に沿った上昇から6万5000円台達成後に暴落。6万円の節目や21日移動平 均線でもあるボリンジャーバンドの中心線(5万8960円辺り)も下回っている。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油8月限は23日に急騰して78.40ドルの高値を付けたが、2営 業日で高値から14.40ドルも暴落して、ボリンジャーバンドの中心線(65.72 ドル辺り)も割り込んだ。 ブレント原油8月限もほぼ同様に23日に急騰して81.40ドルの高値を付けた が、その日のうちに暴落して、24日には66.82ドルの安値。その後は下げ渋って いるが、ボリンジャーバンドの中心線(69.36ドル辺り)も割り込んでいる。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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