<金> NY金8月限は13日のイスラエルによるイラン攻撃を受けて急速に値位置を切り上 げて16日に3476.3ドルまで浮上し、上げ幅を縮小しながらも3400ドル台を 維持してこの日の取引を終了。その後はイスラエルとイラン間での停戦合意の報を受け て軟化し24日に5月30日以来の低水準となる3308.3ドルを付けた。3300 ドルを割り込むことはなく底堅さを窺わせる動きが続いている。 イランとイスラエルは日本時間の25日午後1時に戦闘を終結させると米トランプ大 統領が発表。その後も大規模攻撃は確認されていない。核開発施設を巡る発言の内容に イラン、米国側で相違があるほか、米トランプ大統領は紛争が近いうちに再開する可能 性がある、と発言するなど、依然として状況は流動的ながら、現時点での中東情勢の緊 張不安は後退している。 市場では再び米景気不安が意識される状況となっている。米国では5月の小売売上高 が、寒波や山火事の影響で落ち込んだ今年1月以来の大幅な縮小が伝えられ、消費者の 買い控えの動きが窺われるが、5月の小売売上高の落ち込みは寒波や山火事といった一 時的な要因が背景となったものではなく、トランプ政権による関税引き上げを受けた物 価高観測が懸念されたものが背景と見られるだけに、今後の小売売上高の大幅な改善は 見込み難い。 米国内総生産(GDP)の多くを個人消費が占めるだけに、小売売上高の低迷は米経 済成長の足かせとなる可能性が高いことが懸念される。小売売上高の低迷は米景気不安 をよりいっそう強める要因となる。 なお、トランプ政権による関税引き上げは、4月以降に本格化したため、米GDPへ の影響が顕著となるのは7月〜9月期と見られる。 米景気不安が意識されるなか、SPDRの金ETF残高は5月21日の919トン台 から6月20日に950トン台まで増加し、その後も950トン台での推移が続いてい る。 安全資産として金を求める動きが根強い状態が続くと予想されるだけに、12月限は 引き続き3300ドルを下値支持線にしての高下が想定される。ただし四半期末を迎 え、投機家の手じまい売りが増える可能性がある。3300ドル割れとなった場合、手 じまい売りで下げが加速するリスクには警戒したい。 <銀> NY銀9月限は6月6日に3600セント台に値を乗せた後は、金が下値堅く推移す るなか、底堅さを維持し3600セントを支持線にしての高下が続いている。 米トランプ政権による関税政策が原材料の値上げを招いている。5月の米耐久財受注 は強気な内容だったものの、米関税政策の見通し不透明感から設備投資が縮小し、米製 造業に関する経済指標は弱気な内容が続いていることは工業用としての需要停滞の可能 性を窺わせる弱気要因ながら、金との連動性から9月限は3600セントを下値支持線 にして推移すると予想される。 <白金> NY白金10月限は1300ドル前後を上値抵抗線とする動きが続いていたが、25 日に1300ドルの抵抗帯を上抜いた後、一段高となり、26日に1440.5ドルに 達して一代高値を更新。利食い売りで高値を離れたが、1426.6ドルで引けた。 今年も世界的な供給不足見通しにもトランプ関税が警戒され、5月中旬まで1000 ドル前後での高下が続いていたが、金が堅調に推移するなか、強気な需給に対する意識 が高まったことで金との値開き修正の動きが見られたうえ、ドル安も上昇の後押し要因 になっている。 1カ月、棒上げ状態で過熱感が出ており、短期的な修整場面はあり得る。需給面、金 の堅調な値動きが引き続き買いを支援すると見られ、さらに一代高値を更新する可能性 を含んだ高下が見込まれる。 <パラジウム> NYパラジウム9月限は1100ドルを上値抵抗線にしての高下が続いていたが、 26日に急伸して1164ドルまで浮上。終値ベースでも前日比77.20ドル高の 1144.60ドルを記録した。 白金が急伸するなかでも上値を抑制されていたため、反動高場面を迎えたと見られ る。高止まりが見込まれる白金との値開きが意識されるなか、1140ドル台を維持す る底堅い動きとなりそうだ。 MINKABU PRESS
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