【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における6月 24日時点の大口投機家の売り越しは450万6174枚となり、前週の450万 1882枚から拡大した。取組高合計は4645万1660枚となり、前週から 123万9226枚(2.6%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が22.1%減、債 券合計が0.9%減、為替合計が4.7%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計 が3.2%減、エネルギー合計は0.8%減、金属合計は2.2%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で買い戻しが手じまい売 りを上回って売り越しを縮小、債券で新規買いが新規売りを上回って売り越しを縮小し た。為替は買い戻しが手じまい売りを上回って買い越し(ドル売り)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、イスラエルとイランの停戦を受けて市場の関心が米財政赤字などに移った。 また米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が高まったが、7月は金利据え置きとの 見方が強い。米大統領は、上乗せ関税の一時停止措置が終了する7月9日までに一部の 国・地域に対する関税を引き上げる構えを強めた。関税協議の行方も確認したい。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が13万2277枚買い越し(前週13万 0877枚買い越し)、ユーロは11万1135枚買い越し(同10万1553枚買い 越し)、英ポンドは3万4395枚買い越し(同4万2857枚買い越し)となった。 ユーロは新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油が1月21日以来の高値78.40ドルを付けたのち、イスラエ ルとイランの停戦合意を受けて急落した。金は中東の緊張緩和やドル安一服を受けて売 り優勢となり、5月29日以来の安値3257.20ドルを付けた。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が23万2969枚買い越し(前 週23万1048枚買い越し)に拡大した。新規買いが新規売りを上回った。ニューヨ ーク金は19万5004枚買い越し(同20万0648枚買い越し)に縮小、ニューヨ ーク・プラチナは2万5212枚買い越し(同2万3227枚買い越し)に拡大した。 金は手じまい売り、新規売りが出て、プラチナは買い戻しが手じまい売りを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが13万0570枚売り越し(前週10万 7244枚売り越し)に拡大、大豆は5万5870枚買い越し(同8万5223枚買い 越し)に縮小した。コーン、大豆ともに手じまい売り、新規売りが出た。前週のコーン は、中東の緊張緩和や米産地の降雨などを受けて売り優勢となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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