【これからの見通し】ドル売り傾向が継続、米求人件数を確認

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】ドル売り傾向が継続、米求人件数を確認

 ドル売り傾向が続いている。ユーロドルは1.18台まで一時上昇。ドル円は143円台での取引時間が増えてきている。全般に緩やかな動きではあるが、着実にドル安が進行している。ドル指数は連日の年初来安値を更新している。

 トランプ大統領が日米通商協議での自動車の扱いについて日本側に強い不満を表明。さらに輸入米についても言及している。いずれも貿易戦争の構図は円高圧力となりやすい。また、再三再四の要求ではあるが、トランプ大統領はパウエルFRB議長にいろいろな方法で利下げを促している。

 円高の面では、午後5時に日銀審議委員に元三菱商事常務の増氏が就任会見を行う。ハト派の中村氏の後任となる。タカ派方向へのイメージチェンジが明確であれば、材料視されそうだ。

 ドル安の面では、このあとのNY時間に発表される一連の米経済指標の内容が注目される。製造業PMI・確報値(6月)、ISM製造業景気指数(6月)、JOLTS求人件数(5月)、建設支出(5月)などが予定されている。ISM製造業指数は48.8と予想されており、前回の48.5から小幅の上昇が見込まれている。また、3日の米雇用統計発表をひかえて、求人件数が注目される。市場予想は730万件と前回の739.1万件からの小幅減少が見込まれている。ただ、予想と結果の乖離が多きくなるケースもあり、予想を鵜吞みにはできないだろう。米債利回りの反応とともにドル相場が動意付く可能性がある。

 発言イベント関連では、ECBフォーラム「変化への適応:マクロ経済の転換と政策対応」が開催される。ギンドスECB副総裁、エルダーソンECB理事、シュナーベルECB理事などの講演が相次ぐ。さらにラガルドECB総裁、植田日銀総裁、パウエルFRB議長、ベイリー英中銀総裁などが討論会に出席する。ECB関連では、消費者インフレ期待(5月)の発表も予定されている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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