ゴム週間展望=天井圏の動きか、米国株の動きに注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [7月7日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         6月30日〜7月4日
<国内>         始 値     高 値       安 値       帳入値    前週比
 25年12月限      310.2      317.4(3)     306.8(30)     312.1    +  2.4
 RSS先限      307.8      308.0(30)   307.8(30)     308.0     +  8.0
 TSR20    235.0      235.0(30)    235.0(30)    235.0        0.0
 上海9月限   14140   14235(3)   13625(30)   14035     -   15
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 144.22円  前週末比 0.02 円高
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【前週までのレビュー】ファンダメンタルズ面から、天然ゴムを積極的に買い進む材料
は乏しく、上値は限定的とみた。
【天井圏の動きか】
 JPXゴムRSS3号は、ジリ高調の展開となっている。活発限月の12月限は、3
日に317.4円まで水準を引き上げた。その後、戻りを叩かれる場面もあったが、3
10円前後では底堅い展開となっている。
 最近の相場は、天然ゴム特有の材料に乏しく、株式・為替市場の動向に連動する傾向
が強まっている。今回の上昇も、S&P500やナスダックの過去最高値更新に伴う米
株高に追随した形とみられる。
 ただ、3日の米株高は、6月の米雇用統計が市場予想を上回り、雇用環境の好調さを
背景としたものだ。これは同時に、利下げのタイミングの後退を示唆する。米株市場は
これまで利下げ期待で上昇してきただけに、今回の上昇は合理性を欠く側面もある。
市場は、過度に楽観的に傾ており、米株市場の調整が始まれば、JPXゴムRSS3号
もそれに追随しやすいとみる。
【中国PMIは3カ月連続で50割れ】
 中国国家統計局が6月30日に発表した6月の中国製造業購買担当者景気指数(PM
I)は49.7となり、市場予想の49.6を0.1ポイント上回ったものの、5月の
49.5、4月の49.0に続き、3カ月連続で景況感の分かれ目とされる50.0を
下回った。
 項目別では、新規受注は前月比0.4ポイント上昇の50.2と3カ月ぶりに50を
上回り、生産は同0.3ポイント上昇の51.0と2カ月連続で50を上回った。だ
が、雇用状況を示す従業員数が同0.2ポイント低下の47.9、また輸出動向を示す
新規輸出受注は同0.2ポイント高となったものの、47.7と引き続き50を下回っ
ている。中国の産業が輸出主導であることを考えると、輸出が不調の間は、中国景気は
本格的な回復は望めないだろう。
【上海ゴム9月限は1万4500元を目指すか】
 上海ゴムの中心限月の9月限は、1万4000元付近での取引となっている。中心限
月の9月限は、2日に1万4185元まで上昇し、6月27日に付けた直近の高値1万
4165元を上抜いた。同水準では戻り売りを浴び、3日は一時1万3925元まで軟
化した。だが、同日の終値では1万4000元台を回復した。このところ、1万400
0元超で戻り売りを浴びても、値崩れを起こすことはない。現状は、1万4000元付
近での値固め場面とみる。値固めに成功すれば、節目の1万4500元や1万5000
元を意識した展開になりそうだ。
【東京ゴム活発限月の12月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の12月限は、ジリ高調の展開となっている。6月に入っ
てからの値動きをみると、上海安を受けて、6月3日に一代の安値となる284.0円
まで下落した。だがその後、戻り歩調となり、19日には308.5円まで水準を引き
上げた。同水準では戻り売りを浴び、23日に291.9円まで下落した。だが、同水
準で支持されると、ジリジリと水準を引き上げ、7月3日には317.4円まで上昇、
308円台まで押し戻されたが、その後は、310円超での取引される時間が長くなっ
ている。
 買い優勢となれば、3日の高値317.4円が最初の関門。高値更新となれば、一目
均衡表の雲の上限がある320円前後を意識して展開になるとみる。雲を突破すれば、
5月27日の高値323.0円を目指すとみる。
 一方、売りが先行すれば、節目の305円付近が支持になる。同水準を割り込むと、
一目均衡表の基準線がある300円台の攻防になる。同線を下抜くと、6月23日の安
値291.9円や同月16日の安値289.0円が意識される。
【今週の注目ポイント】
 米株市場に注目したい。ゴム独自の材料に乏しい中、株式市場の影響を受けやすくな
っている。3日、S&P500とナスダック総合株価指数は、揃って過去最高値で取引
を終えた。直近のJPXゴムRSS3号の上昇は、株高によるところが大きい。米株が
調整安となれば、JPXゴムRSS3号も地合いを緩める可能性が高いとみる。
【相場予想レンジ】
 7月7〜11日のJPXゴムRSS3号12月限の中心レンジ予想は280〜330
円前後。テクニカルの支持線は300.0円(節目)、抵抗線は320.0円(節
目)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
 7日 独鉱工業生産指数 2025年5月(経済技術省)
    ユーロ圏小売売上高 2025年5月(EUROSTAT)
    建玉明細報告(CFTC)
 8日 国際収支(経常収支) 2025年5月(財務省)
    キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行)
    独貿易収支 2025年5月(連邦統計庁)
    米消費者信用残高 2025年5月(FRB)
 9日 マネーストック 2025年6月(日本銀行)
    中国消費者物価指数 2025年6月(国家統計局)
    中国生産者物価指数 2025年6月(国家統計局)
    政策金利公表(NZ準備銀行)
    米卸売在庫 2025年5月確報値(商務省)
    米FOMC議事録公表 6月17-18日(FRB)
10日 企業物価指数 2025年6月(日本銀行)
    ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
11日 上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    独消費者物価指数 2025年6月確報(連邦統計庁)
    英貿易収支 2025年5月(国立統計局)
    英鉱工業生産指数 2025年5月(国立統計局)
    米財政収支 2025年6月(財務省)
    建玉明細報告(CFTC)

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