[7月14日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2026 年 6 月限 7 月 7 日〜 7 月 11 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 15,663 15,915 (11) 15,479 ( 7) 15,889 +245 銀 170.0 176.2 (11) 170.0 ( 7) 176.2 +7.7 プラチナ 6,098 6,200 ( 9) 5,963 (10) 6,085 -36 パラジウム 5,200 5,200 ( 7) 5,200 ( 7) 5,200 0 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 11 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 8) 3,364.0 +21.1 | ドル・円 146.79 2.57 円安 銀 ( 9) 3,895.5 +187.1 | 日経平均 39,569.68 -241.20 プラチナ (10) 1,469.9 +87.8 | NY原油 ( 8) 68.45 +1.45 パラジウム ( 9) 1,283.20 +135.50 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 11日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は米国の財政不安と予想以上の米雇用統計でもみ合い、とした。 金はドル高が圧迫要因になったが、米10年債入札で堅調な需要が示され、利回りが 低下したことや米大統領が銅の関税引き上げを発表したことを受けて堅調となった。現 物相場は6月30日以来の安値3283.47ドルを付けたのち、押し目を買われた。 金先限は6月24日以来の高値1万5838円を付けた。 トランプ米大統領は12カ国に関税率を通知する書簡の送付を7日に開始するとし た。日本と韓国からの輸入品に対し、8月1日から25%の関税を課すと表明した。ま た交渉期限を8月1日まで延長する大統領令に署名した。米大統領は9日、新たにフィ リピンなど7カ国に対して新関税率を通知する書簡を公表した。銅や銅製品に対する 50%の関税を8月1日に発動するとした。米大統領がブラジルのルラ大統領に宛てた 書簡で、8月1日からブラジルからの輸入品に対し、50%の関税を課すと表明した。 ルラ大統領は相互主義で行動するとし、「ブラジルも米国に対して50%の関税を課 す」と述べた。米大統領は欧州連合(EU)とカナダにも関税通知書を送付するとして おり、米国と各国の関税交渉の行方を確認したい。 米10年債の390億ドルの入札で最高落札利回りは4.362%となり、入札前取 引の水準を約0.5ベーシスポイント(BP)下回った。応札倍率は2.61倍と、4 月以来の高水準となった。堅調な需要を受けて米国債の利回りが低下した。また6月 17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、大半の参加者は トランプ米大統領の関税措置による物価への衝撃が一時的もしくは小幅になると見込 み、年内の利下げが適切になるという見解を示した。一方、国際通貨基金(IMF)は 米大統領が新たに発表した関税措置について状況を注視しており、世界経済見通しの不 確実性は依然として高いとの見方を示した。 【金ETF残高は増加】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は10日時点で 1136.02トンとなり、前週末比1.34トン増加した。米国で1.15トン、英 GBSで0.03トン、英ETFSで0.18トン増加、オーストラリアで0.01ト ン、南アで0.01トン減少した。米国債の利回り低下などを受けて投資資金が戻っ た。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月1日時点 のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは20万1980枚となり、前週の19万 5004枚から拡大した。今回は新規買いが2554枚、買い戻しが4422枚入り、 6976枚買い越し幅を拡大した。 中国人民銀行は6月末の金準備は2299トンと発表した。8カ月連続で増加した。 前月末は2296トンだった。準備資産をドルから多様化する動きが続くとみられてい る。一方、トランプ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相の会談で、イラン攻撃の輝 かしい成功が語られた。ただイランは濃縮ウランを秘匿し、核施設再建能力を保持して おり、今回の勝利は一時的な側面が強い。今後について、米大統領は外交優先に傾き、 ネタニヤフ首相は力の行使をより重視するとしている。ガザ情勢でも両者の意見は異な っており、中東情勢の先行き不透明感が残る。 【銀は押し目を買われる】 銀の現物相場は米国債の利回り低下や米大統領が銅の関税引き上げを発表したことを 受けて押し目を買われた。米大統領が各国に関税率を通知する書簡を送付しており、関 税交渉の行方が当面の焦点である。 10日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比21.19ト ン増の1万4889.93トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の 建玉明細報告によると、7月1日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは6万 3400枚となり、前週の6万2947枚から拡大した。買い戻しが手じまい売りを上 回った。 当面の予定(イベント・経済統計) 14日 ●フランス(革命記念日) 機械受注 2025年5月(内閣府) 中国貿易収支 2025年6月(税関総署) 15日 中国住宅価格指数 2025年6月(国家統計局) 中国国内総生産 2025年4-6月期(国家統計局) 中国小売売上高 2025年6月(国家統計局) 中国鉱工業生産 2025年6月(国家統計局) ユーロ圏鉱工業生産 2025年5月(EUROSTAT) 独景況感指数 2025年7月(ZEW) 米消費者物価指数 2025年6月(労働省) 米製造業景況指数 2025年7月(ニューヨーク連銀) 16日 英消費者物価指数 2025年6月(国立統計局) ユーロ圏貿易収支 2025年5月(EUROSTAT) 米生産者物価指数 2025年6月(労働省) 米鉱工業生産・設備稼働率 2025年6月(FRB) 米地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB) 17日 貿易収支 2025年6月速報(財務省) 英雇用統計 2025年6月(国立統計局) ユーロ圏消費者物価指数 2025年6月確報(EUROSTAT) 米小売売上高 2025年6月(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米輸出入物価指数 2025年6月(労働省) 米製造業景況指数 2025年7月(フィラデルフィア連銀) 米企業在庫 2025年5月(商務省) 対米証券投資 2025年5月(財務省) 18日 消費者物価指数 2025年6月(総務省) 独生産者物価指数 2025年6月(連邦統計庁) ユーロ圏国際収支 2025年5月(ECB) 米住宅着工・許可件数 2025年6月(商務省) 米消費者信頼感指数 2025年7月速報値(ミシガン大) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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