●論点解説金、通商リスクの軽減が進んだ場合には?=マーケットエッジ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 通商リスクの軽減期待で、安全資産の目線で手仕舞い売りが膨らんだ。日米通商合意
が実現したが、欧州連合(EU)も近く15%の関税を受け入れる形で合意に達すると
の見通しが強くなっている。まだEUが合意に到達できるかは不透明感も強いが、8月
1日以降に米欧が本格的な貿易紛争入りするリスクが軽減されたとの評価はネガティ
ブ。
 金市場の目線だと、これで金相場はピークアウトに向かうとの見方もできる。弱気の
ロジックだと、4月からマーケットに混乱をもたらした通商リスクはピークを過ぎ、株
高連動で金相場は値下がりすることになる。一方、強気派の関心は通商リスクから米金
融政策環境にシフトしつつある。早期利下げが行われると、短期的にはインフレを容認
することを意味し、実質金利低下の値上がり期待が強い。一方、利下げを先送りした場
合にはトランプ政権と米連邦準備制度理事会(FRB)の対立は避けられない。FRB
の独立性への懸念が高まると、「米国売り」が再燃する形で金相場の急伸が促される可
能性が高まる。
(マーケットエッジ・小菅 努)

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。