[今日の視点]貴金属=続落、NY安を引き継ぐ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、続落して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク安を受けて売り優勢とな
ろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク安を受けて軟調となろ
う。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は45.77ドル安
の3279.60ドル、銀が96セント安の3714セント、プラチナが71.35ド
ル安の1318.25ドル、パラジウムは21.02ドル安の1229.72ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=149.31/33円で、前営業日の
大引け時点から1.37円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が1万5885円前後、銀は176.0円前後、プラチナ
は5840円前後、パラジウムは5900円前後。
【NY金は予想以上の米GDPなどが圧迫】
 金はきのうの海外市場は、予想以上の米国内総生産(GDP)などを受けて売り優勢
となった。
 金は予想以上の米国内総生産(GDP)などが圧迫要因になった。第2四半期の米G
DP速報値は年率換算で前期比3.0%増となった。前四半期の0.5%減からプラス
に転じ、伸びは市場予想の2.4%を上回った。米連邦公開市場委員会(FOMC)
で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25〜4.50%に据え置くと
決定した。ウォラー理事とボウマン副議長(金融監督担当)の2人が反対票を投じた。
ただパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、9月の連邦公開市場委員会(FOM
C)で利下げを実施するかどうかを判断するのは時期尚早だと発言すると、ドル高が進
んだ。
 トランプ米大統領はブラジルに追加的に40%の関税を課す大統領令に署名し、同国
に対する関税率を合計50%に引き上げた。トランプ政権が反対するブラジルの政策が
理由としている。米大統領は、インドからの輸入品に25%の関税を課すと明らかにし
た。さらにインドによるロシア製の武器と石油の購入に対しペナルティーを科すと言明
した。米大統領は、国家安全保障への影響を理由に、輸入する銅に対し50%の関税を
課す布告に署名した。銅管や銅線が対象で、原料となる鉱石や精鉱などは除外したこと
から、予想より限定的な措置となった。一方、米大統領がウクライナとの停戦合意に応
じなければロシアに関税などの制裁措置を発動する姿勢を示していることに対し、ロシ
ア大統領府(クレムリン)のペスコフ報道官は、ロシアは既に制裁などへの免疫を得て
いるとして、効果に疑問を呈した。
 銀はきのうの海外市場は、ドル高や金軟調を受けて売り優勢となった。
【プラチナはドル高や金軟調が圧迫】
 プラチナはきのうの海外市場では、ドル高や金軟調を受けて売り優勢となった。
 プラチナはドル高や金軟調が圧迫要因になった。予想以上の米国内総生産(GDP)
に加え、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けて早期利下げ観測が後
退し、ドル高に振れた。7月の全米雇用報告によると、民間雇用者数は10万4000
人増で予想を上回った。市場予想は7万5000人増だった。
 欧州自動車工業協会(ACEA)によると、上半期の欧州連合(EU)の新車(商用
車)登録台数はバンが前年同期比13.2%減の72万9127台、トラックが同
15.4%減の15万5367台、バスは同4.4%減の1万8123台となった。第
2四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)速報値は前期比0.1%増だった。予想の
前期比横ばいを上回った。貿易を巡る不確実性が続く中でも企業が適応していることを
示唆している。
<今日の予定>
・鉱工業生産指数 2025年6月速報(経済産業省)
・小売業販売額 2025年6月速報(経済産業省)
・総裁記者会見(日本銀行)
・中国製造業購買担当者景況指数 2025年7月(中国物流購買連合会)
・中国非製造業購買担当者景況指数 2025年7月(中国物流購買連合会)
・ユーロ圏雇用統計 2025年6月(EUROSTAT)
・独消費者物価指数 2025年7月速報(連邦統計庁)
・政策金利公表(南アフリカ準備銀行)
・米個人所得・支出 2025年6月(商務省)
・米新規失業保険申請件数(労働省)
・米雇用コスト指数 2025年4-6月期(労働省)
・シカゴ購買部協会景気指数 2025年7月(シカゴ購買部協会)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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