[今日の視点]石油=下落へ、米ロ首脳会談を控えて売り続く

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 国内市場は下落へ。2026年1月限で300〜500円安程度を想定する。国際エ
ネルギー機関(IEA)の月報や、米エネルギー情報局(EIA)の週報を売り手がか
りに、海外原油が続落したことや、円高・ドル安が重し。円相場は1ドル=147円台
前半で推移。
 15日の米ロ首脳会談を控えて、米国と欧州の首脳らは電話協議した。このなかで欧
州は5原則を確認した。ドイツのメルツ首相によると5原則とは、ウクライナも今後の
交渉に参加すること、ウクライナ停戦を最優先とすること、ロシアの占領の法的承認は
認めないこと、ウクライナへの安全の保証も交渉対象とすること、ロシアがアラスカ会
談で動きを見せなければ米欧は圧力を強めることであるという。
 メルツ独首相によると5原則をトランプ米大統領もおおむね同意しているというが、
米アクシオスの報道によると、トランプ米大統領はウクライナ領土の一部譲渡は停戦に
必要と考えている。また、英テレグラフによると、トランプ米大統領はウクライナや米
アラスカ州の資源開発など、ロシアに対する金銭的な利益供与も検討していると伝わっ
ている。報道を完結にまとめるならば、ロシアの勝利を認めて領土や金銭で償おうとし
ているようだ。ロシア攻撃を重ねてきた落とし前であり、欧州や北大西洋条約機構(N
ATO)の負けを認めない態度とは正反対である。
 欧州がウクライナ戦争の敗北を認めないならウクライナ戦争に終わりはなく、米ロ首
脳会談も意味をなさず、トランプ米大統領は15日にロシアが停戦に合意しない場合の
帰結を警告している。和平合意は閉ざされているようにしか見えないが、米ロ首脳は何
を目指すのだろうか。
 時間外取引でニューヨーク原油9月限は前日比0.05ドル高の62.70ドルで取
引されている。本日これまでのレンジは62.70〜62.84ドル。
<今日の予定>
◆ オーストラリア ◆
【経済】10:30 雇用統計 2025年7月(連邦統計局)
◆ 日本 ◆
【工業】12:00 原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
【工業】14:00 石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
◆ ユーロ圏 ◆
【経済】18:00 国内総生産 2025年4-6月期改定(EUROSTAT)
【経済】18:00 鉱工業生産 2025年6月(EUROSTAT)
◆ フランス ◆
【経済】15:45 消費者物価指数 2025年7月確報(INSEE)
◆ イギリス ◆
【経済】15:00 国内総生産 速報値 2025年4-6月期(国立統計局)
【経済】15:00 貿易収支 2025年6月(国立統計局)
【経済】15:00 鉱工業生産指数 2025年6月(国立統計局)
【経済】15:00 製造業生産指数 2025年6月(国立統計局)
◆ スイス ◆
【経済】15:30 生産者・輸入物価指数 2025年7月(連邦統計局)
◆ アメリカ ◆
【経済】21:30 新規失業保険申請件数(労働省)
【経済】21:30 生産者物価指数 2025年7月(労働省)
【農産】21:30 週間穀物輸出成約高(USDA)
【納会】--:-- 大豆 2025年8月限(CBOT)
【納会】--:-- 大豆ミール 2025年8月限(CBOT)
【納会】--:-- 大豆油 2025年8月限(CBOT)
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