●論点解説金、利下げ期待とFRB独立性問題=マーケットエッジ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 ベッセント米長官は、9月の0.5%の利下げを皮切りに、一連の利下げを実施でき
るとの見方を示した。政策金利について、現在より少なくとも1.5%低い水準が適切
としている。ベッセント長官は、トランプ政権内でも米連邦準備制度理事会(FRB)
に対する直接的な言及は抑制する傾向にあったが、具体的な金利水準にまで言及したこ
とにはサプライズ感が強い。トランプ政権内で利下げに慎重なFRBに対する不満が臨
界的に近づいていることを示唆している。これによって米金融政策環境が大きく変わる
訳ではないが、米長短金利は低下し、ドルが売られたことが、金相場を押し下げてい
る。米国株やビットコインなども利下げ期待で買われており、それと同じロジックで金
相場も地合を引き締めている。
 金市場に関しては、FRBの独立性に対する懸念が強くなっていることもポジティ
ブ。トランプ政権では大統領を筆頭に政府高官が具体的な金融政策に言及することも珍
しくないが、そもそもこうした状況は異例である。金融政策はあくまでもFRBの管轄
であり、財務長官でさえ安易に言及して良いテーマではない。
(マーケットエッジ・小菅 努)

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。