株価指数先物【寄り前】 パウエルFRB議長の講演を前にした持ち高調整

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42640 +30 (+0.07%)
TOPIX先物 3091.5 +8.0 (+0.25%) 
シカゴ日経平均先物 42650 +40
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 21日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。22日にジャクソンホール会議で行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前に、持ち高調整の売りが優勢だった。四半期決算を発表したウォルマートが大幅に下落したことで、ホーム・デポやウォルト・ディズニーなどの消費関連株にも売りが広がったことが重荷になった。

 S&P500業種別指数はエネルギー、素材、電気通信サービスが上昇した一方で、食品・生活必需品小売、自動車・同部品、小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、メルク、シェブロン、ユナイテッドヘルス・グループ、ハネウェル・インターナショナルが買われた。半面、ウォルマートやホーム・デポ、ウォルト・ディズニーのほか、IBM、アマゾン・ドット・コムが軟調。

 シカゴ日経平均先物清算値は大阪比40円高の4万2650円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円高の4万2630円で始まった。その後4万2510円まで軟化したが4万2500円接近では底堅さがみられ、4万2510円~4万2650円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上抜け、4万2750円まで買われる場面もみられた。ただ、上値も限られており、終盤にかけては4万2600円~4万2680円辺りでの推移が続き、4万2640円でナイトセッションの取引を終えている。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。日経225先物は4万2500円辺りで下げ渋る動きがみられており、パウエルFRB議長の講演を前にショートポジションを圧縮する動きが意識されそうである。一方で、ボリンジャーバンドの+1σ(4万2830円)が抵抗となると考えられ、リバウンド狙いのロングも限られそうである。

 日経225先物は19日につけた4万3930円をピークとした今回の急落でロング解消を迫られ、現在はショートに傾いている状況であろう。4万3000円辺りを明確に上回ってこないとショートカバーは強まらず、+1σ近辺での戻りの鈍さがみられる局面においては、戻り待ち狙いのショートに向かわせよう。

 パウエルFRB議長は講演で、今後の利下げ方針について言及するとみられている。米国ではこれまで消費者物価指数(CPI)の結果やベッセント米財務長官の発言などもあって9月の利下げ確率が上昇し、通常の2倍となる0.5%の利下げを織り込む動きもみられた。利下げに慎重な発言となれば下へのバイアスが強まることも考えられるため、重要イベントを前に持ち高調整が中心になりそうだ。

 そのため、オプション権利行使価格の4万2500円から4万3000円でのレンジを想定する。底堅さがみられる4万2500円処を明確に割り込んでくるようだと、4万2000円辺りまでバイアスが強まる展開も意識しておきたい。

 21日の米VIX指数は16.60(20日は15.69)に上昇した。一時17.24まで切り上がる場面もみられた。25日移動平均線(16.03)を突破し、75日線(17.52)に接近してきたため、やや神経質にさせやすいだろう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.81倍に低下した。一時13.87倍に上昇し、75日線(13.84倍)を上回る場面もみられたが、その後は同線を下回って推移。75日線が抵抗として意識されるなかで13.78倍をつける場面もあり、8月6日につけた直近安値の13.69倍が射程に入りそうだ。

株探ニュース

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