[今日の視点]貴金属=軒並み上昇、NY高を引き継ぐ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、軒並み上昇して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク高を受けて買い優
勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク高を受けて堅調と
なろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は21.16ドル高
の3416.24ドル、銀が24セント高の3908セント、プラチナが6.91ドル
高の1357.00ドル、パラジウムは6.86ドル高の1102.85ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=146.89/91円で、前営業日の
大引け時点から0.37円の円高。
 先限の寄り付き目安は、金が1万6305円前後、銀は184.5円前後、プラチナ
は5950円前後、パラジウムは5300円前後。
【NY金はドル安や米FRBの独立性に対する懸念が支援】
 金はきのうの海外市場は、ドル安や米連邦準備理事会(FRB)の独立性に対する懸
念を受けて買い優勢となった。
 金はドル安や米連邦準備理事会(FRB)の独立性に対する懸念が支援要因になっ
た。クック米FRB理事は、トランプ米大統領による解任通告に対し、連邦裁判所に提
訴した。同理事はまた、訴訟が続く間はFRBが解任措置を取ることを禁じる暫定的差
し止め命令を求める申し立てを提出した。ホワイトハウスのデサイ報道官は、トランプ
大統領がクック氏解任にあたり「合法的な権限」を行使したと指摘した。
 第2四半期の米国内総生産(GDP)改定値は前期比3.3%増となった。個人消費
と設備投資の上方修正を反映し、速報値の3.0%増から修正された。市場予想の
3.1%増も上回った。米新規失業保険申請件数は5000件減の22万9000件と
なった。市場予想は23万件だった。一方、7月の米中古住宅販売仮契約指数は前月比
0.4%低下した。市場予想は0.1%低下だった。米GDP改定値が上方修正された
が、市場では、下半期は関税の影響で経済成長が鈍化するとみられている。
 米ホワイトハウスのレビット報道官は、ロシア軍によるウクライナの首都キーウに対
する大規模な夜間攻撃について、トランプ大統領は驚いてないものの、「不満に感じて
いる」と明らかにした。また英仏独は2015年のイラン核合意で解除された対イラン
国連制裁を復活させる手続きを開始した。国連安保理は30日間の検討期間に入る。
 銀はきのうの海外市場は、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。
【プラチナはドル安や金堅調が支援】
 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。
 プラチナはドル安や金堅調が支援要因になった。クック米連邦準備理事会(FRB)
理事は、トランプ米大統領による解任通告に対し、連邦裁判所に提訴した。米FRBの
独立性に対する懸念からドル安に振れた。一方、第2四半期の米国内総生産(GDP)
改定値は前期比3.3%増となった。個人消費と設備投資の上方修正を反映し、速報値
の3.0%増から修正された。市場予想の3.1%増も上回った。ただ市場では、下半
期は関税の影響で経済成長が鈍化するとみられている。
 欧州自動車工業協会(ACEA)によると、7月の欧州連合(EU)の新車(乗用
車)登録台数は前年同月比7.4%増の91万4680台となった。1〜7月は前年
同期比0.7%減の649万1448台となった。EU執行機関の欧州委員会は、米国
から輸入する工業製品に対する関税の撤廃を提案した。米国との貿易協定の一環で、E
U製自動車に対する関税引き下げを目指す。欧州中央銀行(ECB)が公表した7月理
事会の議事要旨によると、インフレ見通しを巡って政策当局者の間で意見が分かれたこ
とが明らかになった。米国の関税政策やユーロ高の影響についても議論が交わされた。
<今日の予定>
・労働力調査(失業率) 2025年7月(総務省)
・鉱工業生産指数 2025年7月速報(経済産業省)
・小売業販売額 2025年7月速報(経済産業省)
・独雇用統計 2025年8月(連邦雇用庁)
・独消費者物価指数 2025年8月速報(連邦統計庁)
・米個人所得・支出 2025年7月(商務省)
・米卸売在庫 2025年7月速報値(商務省)
・シカゴ購買部協会景気指数 2025年8月(シカゴ購買部協会)
・米消費者信頼感指数 2025年8月確報値(ミシガン大)
・建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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