ドル買い広がる、英長期債利回り急上昇でポンドが急落 ドル円148円台後半=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル買い広がる、英長期債利回り急上昇でポンドが急落 ドル円148円台後半=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、ドル買いの動きが広がっている。ポンドドルの急落が主導権を握った。英30年債利回りが一時5.69%と1998年以来の高水準となった。市場では秋の英予算案発表を控えた英財政の継続性に対する警告と捉えている。ポンドドルは1.35台から1.33台へと急落している。仏政局不安もあってユーロドルも1.17台から1.16台へと下落。ドル円は東京市場から一段高となり、148円台乗せから148円台後半まで買われている。ただ、クロス円はロンドン朝方に高値をつけたあとは反落しており、ポンド円急落の影響が強くでている。また、森山自民幹事長が辞任を表明しており、今後の政局に不透明感が広がっている。円安と円高の両面の反応が交錯している。欧州株や米株先物・時間外取引は軟調に推移。原油や金が買われるなど不安定な相場展開になっている。

 ドル円148円台後半での取引。東京朝方の147.05付近を安値に、ここまで終日買われている。東京市場では日銀副総裁が利上げに慎重な姿勢を示したことや、10年債入札の好調が円売りを誘っていた。ロンドン時間にはポンドドルの急落を受けてドル買いが波及した面があり、148円台乗せから高値を148.79近辺まで伸ばしている。森山自民幹事長が辞任を表明しており、今後の政局に不透明感が広がっている。ドル円は148円台で売買が交錯する神経質な展開となった。

 ユーロドルは1.16台前半での取引。東京朝方の1.1718近辺を高値に、その後は上値を抑えられている。ロンドン朝方にはポンドドルの急落を受けて連れ安となった。足元では安値を1.1624近辺まで広げている。ユーロ円は円売りが一服している。東京市場からロンドン序盤にかけては買いが強まり、172.28近辺から173.41近辺まで上伸した。しかし、ロンドン時間にポンド円が急落すると172円台後半へと再び下げている。対ポンドではユーロ買いが強まっている。ポンド主導の展開となっている。

 ポンドドルは1.34付近での取引。東京朝方の1.3549近辺を高値に上値を抑えられている。ロンドン朝方には1.35台割れから一気に1.3376近辺まで急落した。英30年債利回りが一時5.69%と1998年以来の高水準となったことがポンド売りを強めた。英秋季予算案に向けて市場では英財政の継続性に警告が発せられている。足元ではさらに1.3372近辺に安値を広げている。ポンド円は東京市場からロンドン朝方にかけては199円台前半から200円台乗せまで買われた。しかし、ロンドン時間には200.27近辺を高値に急反落し、安値を198.70台へと広げている。ユーロポンドは急伸。0.8642から一時0.8700付近までユーロ買い・ポンド売りが強まった。
 
minkabu PRESS編集部 松木秀明

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