CFTC大口投機資金動向(9/2時点):金買いが拡大

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における9月2
日時点の大口投機家の売り越しは518万9645枚となり、前週の509万0580
枚から拡大した。取組高合計は4953万4278枚となり、前週から158万
3911枚(3.1%)減少した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.0%減、債券
合計が5.2%減、為替合計が3.6%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
1.0%減、エネルギー合計は1.9%増、金属合計は6.4%増となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で買い戻しが手じまい売
りを上回って売り越しを縮小、債券で新規売りが新規買いを上回って売り越しを拡大し
た。為替は新規買いが新規売りを上回って買い越し(ドル売り)を拡大した。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、米連邦控訴裁判所が米政権の関税措置の大半が違法との判決を下したことを
受けて株安に振れる場面が見られた。一方、労働市場の経済指標で減速が示されたこと
を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げが確実視された。今週は8月の米消費者
物価指数(CPI)の発表がある。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が7万3258枚買い越し(前週8万4484
枚買い越し)、ユーロは11万9592枚買い越し(同12万3039枚買い越し)、
英ポンドは3万3140枚売り越し(同3万1353枚売り越し)となった。ユーロは
手じまい売り、新規売りが出て買い越しを縮小した。

 商品市場では、原油が石油輸出国機構(OPEC)プラスの増産見通しを受けて売り
優勢となり、6月2日以来の安値61.45ドルを付けた。金は米連邦控訴裁判所が米
政権の関税措置の大半が違法との判決を下したことや米連邦準備理事会(FRB)の利
下げ見通しを受けて史上最高値を更新した。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が10万2428枚買い越し(前
週10万9472枚買い越し)に縮小した。手じまい売りが買い戻しを上回った。ニュ
ーヨーク金は24万9530枚買い越し(同21万4311枚買い越し)、ニューヨー
ク・プラチナは1万6998枚買い越し(同1万5786枚買い越し)に拡大した。
金、プラチナともに新規買いが新規売りを上回った。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが5万2455枚売り越し(前週7万0940
枚売り越し)に縮小、大豆は2万1420枚買い越し(同1万8189枚買い越し)に
拡大した。コーンは新規買い、買い戻しが入り、大豆は新規買いが新規売りを上回っ
た。前週のコーンは、強気の米輸出も需給緩和観測を受けて戻りを売られた。
MINKABU PRESS 東海林勇行

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。