株価指数先物【寄り前】 +2σと+3σとのレンジに移行

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 44520 +350 (+0.79%)
TOPIX先物 3144.5 +17.5 (+0.55%) 
シカゴ日経平均先物 44505 +335
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 11日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇し、いずれも史上最高値を更新。8月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比の上昇率が2.9%と市場予想に一致した。米新規失業保険申請件数は前週比2万7000件増の26万3000件と、ほぼ4年ぶりの高水準になった。労働市場の減速に対する懸念により米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動くとの見方を強め、主力株を中心に買われた。また、前日はオラクルの急騰が半導体や人工知能(AI)関連株への資金集中につながったが、この日はマイクロンテクノロジーが急伸するなかでAI関連株の一角が買われ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は一時6000台に乗せる場面もあった。

 S&P500業種別指数は自動車・同部品、素材、商業サービス・用品が上昇した一方で、半導体・同製造装置、エネルギー、ソフトウエア・サービスが小安い。NYダウ構成銘柄では、スリーエム、シャーウィン・ウィリアムズ、トラベラーズ、ホーム・デポが買われた。半面、ボーイング、シスコシステムズ、コカ・コーラ、アマゾン・ドット・コムが軟調。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比335円高の4万4505円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比120円高の4万4290円で始まった。その後は4万4260円を安値にロング優勢の展開となり、中盤にかけて4万4570円まで買われる場面もみられた。終盤にかけては4万4470円~4万4560円辺りでの保ち合いを継続し、4万4520円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。本日は9月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)となる。SQ値の4万4000円乗せは織り込まれていたが、4万4500円台にレンジを切り上げてくる可能性が高く、上へのバイアスが強まりそうである。オーバーシュート気味の価格形成からSQ値が抵抗線として意識される可能性もあり、買い一巡後は利益確定に伴うロング解消の動きが入りやすいだろう。

 ただし、SQ値を早い段階でクリアしてくるようだと、ショートカバー狙いの動きが強まりそうだ。SQを通過し、市場は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合に関心が移る。特に米国では年内3回の利下げ観測の確率が高まっているようであり、押し目待ち狙いのロングに向かわせやすいと考えられる。

 日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万4190円)を突破し、+3σ(4万4900円)とのレンジに移行した。+3σ接近では過熱感が意識されそうであり、いったんピークを形成する可能性はあるだろう。もっともバンドが上向きで推移しているため、これに沿ったトレンド形成が見込まれるなかでは、ポジションをショートに傾けるのは避けたい。そのため、オプション権利行使価格の4万4375円から4万4875円でのレンジを想定する。

 11日の米VIX指数は14.71(10日は15.35)に低下した。一時15.24まで下げ幅を縮める場面もみられたが、25日移動平均線(15.27)に上値を抑えられる形となり、終値では8月28日以来の15.00割れとなった。下向きに推移している25日線に上値を抑えられるトレンドを形成しており、リスク選好に向かわせよう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.10倍に上昇した。13.99倍と200日線(13.93倍)を明確に上放れる形で始まり、8月14日につけた直近高値の14.05倍を上回ってきた。ソフトバンクグループ<9984>[東証P]やアドバンテスト<6857>[東証P]といった指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向次第の面はあるだろうが、トレンドとしては6月30日につけた14.24倍が射程に入ってきている。

株探ニュース

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