【本日の見通し】来週の米FOMCをにらむ展開へ、ドル円は下方向にややリスクか

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【本日の見通し】来週の米FOMCをにらむ展開へ、ドル円は下方向にややリスクか
  
 注目された米消費者物価指数(CPI)は総合の前月比が予想を小幅に超える伸びとなった以外は、ほぼ予想通りとなった。コア前月比はコア財が前月より伸びており、サービスが伸び鈍化となっている。また、新車、アパレルといった関税の影響を受ける項目がやや強めとなっており、数字だけをみると少し警戒感が出る内容。ただ、同時に発表された新規失業保険申請件数が予想を超える増加となり、米雇用市場の厳しい状況が示されたことが、ドル売りにつながった。
  
 この後も戻りの鈍い展開が見込まれる。来週16日、17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の0.25%利下げはほぼ確定的。昨日の新規失業保険申請件数の弱さや、今週の米生産者物価指数の鈍化などを受けて、10月、12月の連続利下げも織り込みが進んでいる。年明けも利下げが続くかどうかの見方は、いったん休止するとの見方とで拮抗している。もっとも先週時点では年内でいったん休止し、1月末は据え置きとの見方がかなり優勢、今後雇用関係の厳しい数字が続くようだと、利下げ期待が広がっていく可能性が高いとみられる。
  
 こうした状況がドル円の重石となる。ただ、日本の政局に関しては円安要因との見方が強い。積極財政論者で財政赤字警戒につながっている高市前経済安全保障相が出馬の方針を示しているのに対し、有力対抗馬である小泉農林水産相が出馬を明らかにしていないことなどが円売り材料となっている。
  
 ドル円は147円台での重さが意識される展開と見られる。来週のFOMCを前に、積極的な下押しが進むかは微妙で、今日に関しては上値は重いものの、値幅は限られたものとなりそう。
  
 ユーロ円やポンド円も上値の重さが意識される。ユーロ円は173円台の重さを意識する展開か。ポンド円は昨日も200円台を付ける場面が見られたが200円台での買いには慎重。199円台を中心とした推移が見込まれる。
  
 ユーロドルは1.16台を付ける動きから反発を見せた。この後1.1700手前がしっかりとなると、上方向の期待も、値幅自体は抑えられたものとなりそう。ポンドドルは1.34台トライも反発。1.35台前半から買いが入る展開か。
  
MINKABUPRESS 山岡
 

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