ドル円、一時148円台に上昇もレンジ相場に変化なし=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は序盤に一時148円台に上昇したものの、後半に147円台半ばに伸び悩む展開。米国債利回りが上げ幅を縮小したこともドル円を圧迫しているようだ。ドル円は21日線を挟んでの上下動が続いており、100日線と200日線の間でのレンジ相場に変化はない。 先週から今週にかけての雇用とインフレの指標とを経て、市場は来週のFOMCでの利下げを期待から確信に変えている。ただ、一部で観測されている0.50%ポイントの大幅利下げはないと見られているようだ。その確率は10%以下となっている。 短期金融市場では来週を含めて年内3回の利下げを完全に織り込む動きが見られている。来週のFOMCは委員の金利見通し(ドット・プロット)も公表されるが、市場の期待に沿った予想となるか注目される。 ユーロドルは1.17ドル台で振幅。21日線の上を維持し、上向きの流れを堅持しているものの、積極的な上値追いまでは出ていない。ユーロ円は173円台で推移し、こちらも21日線の上は維持しているものの、年初来高値で強い上値抵抗も観測されている174円を試す動きまでは見られていない。 前日はECB理事会が開催され、大方の予想通りに政策は据え置かれた。ラガルド総裁からは利下げサイクル終了を示唆するコメントも出ていたが、一部で期待されていたインフレへの勝利宣言まではなかった。 ECB理事の間で見解が分かれているようで、追加利下げの選択肢は残すべきとの意見が多く出ていた模様。中国発の「デフレ効果」の可能性を含むリスクが指摘されていたほか、ユーロ高や2027年に導入される新たなエネルギー取引制度も挙げられていたという。ユーロ高はインフレ抑制に作用する。短期金融市場は来年一杯までの据え置きで織り込んでいる。 ポンドドルは1.35ドル台半ばで上下動。一方、ポンド円は200円台を回復。一時200.45円付近まで上昇し、年初来高値を更新した。 本日は7月の英GDPが発表になっていたが、前月比横ばいとなり英経済の足踏み状態を示した。ただ、インフレが依然高止まりしている中、英中銀は来週の金融政策委員会(MPC)で追加利下げへの慎重姿勢を維持すると見込まれる。月次GDPはサービス業と建設業が伸びたものの、鉱工業生産が0.9%減少、製造業も1.3%減少した。 減速にもかかわらず、英経済は年初来で堅調な推移を見せており、英政府は今年これまでの成長はG7の中で最速と主張している。ただし、リーブス財務相が財政規律を守るために11月に公表予定の秋季予算案で、一部増税に踏み切り、それが成長を鈍らせると見られている。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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