株価指数先物【寄り前】 米中協議進展で+2σと+3σとのレンジ推移

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 44400 -80 (-0.17%)
TOPIX先物 3129.5 -6.0 (-0.19%)
シカゴ日経平均先物 44635 +155
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 15日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇した。16~17日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げに動くと市場は織り込んでいるが、一部で0.5%の利下げを予想する向きもあり、買いに向かわせた。また、米中貿易協議が開かれるなか、トランプ米大統領が自身のSNSで会合がうまくいったと投稿し、19日に中国の習近平国家主席と直接話すと伝えられたことも買いを誘う形になった。

 S&P500業種別指数は自動車・同部品、メディア、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方で、食品・飲料・タバコ、ヘルスケア機器・サービス、保険の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、アマゾン・ドット・コム、アップル、IBM、マイクロソフトが買われた。半面、メルク、マクドナルド、トラベラーズ、シャーウィン・ウィリアムズが軟調。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比155円高の4万4635円だった。12日取引終了後の日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円安の4万4430円で始まった。直後に4万4320円まで売られた後はロング優勢の展開となり、4万4570円とプラス圏を回復する場面もみられた。買い一巡後は再び軟化し、4万4380円~4万4480円処で保ち合いを継続。終盤にかけて4万4560円まで切り返したもののプラス圏をキープできず、引け間際に失速し4万4400円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。12日の取引終了後のナイトセッションは狭いレンジでの推移が続いたが、週明けの米国市場の上昇が支援材料になりそうだ。ボリンジャーバンドの+2σ(4万4350円)が支持線として意識されることで、+3σ(4万5080円)とのレンジが見込まれる。

 また、米中両政府の交渉担当者は通商協議を経て、「TikTok」の米国事業継続を巡る枠組みで合意に達したと報じられている。トランプ大統領の訪中を期待して譲歩したようだが、安心感につながりそうだ。

 ただし、米国ではFOMCでの大幅な利下げを織り込むなかで、結果判明を前に利益確定目的の売りも出やすいとみられる。ショートは仕掛けにくいものの、積極的な上値追いのロングも手控えられる可能性がある。そのため、オプション権利行使価格の4万4500円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万4250円から4万4750円辺りのレンジを想定する。

 なお、レンジ上限に接近する局面では日経平均株価の4万5000円乗せが意識されやすく、9月のSQ値である4万5016.28円を捉えてくる可能性があるだろう。先高期待が一段と強まる展開から、ショートカバーを誘う動きに向かわせそうである。

 15日の米VIX指数は15.69(12日は14.76)に上昇した。一時15.84まで上昇する場面もみられ、上値抵抗線として機能していた25日移動平均線(15.24)を突破してきた。依然としてボトム圏での推移を継続しているが、FOMC前にいったんは上昇する場面は想定しておきたい。

 週末のNT倍率は先物中心限月で14.18倍(11日は14.10倍)に上昇した。米国市場の流れを受けて、日経平均型優位の展開が続きそうである。ただ、+3σ(14.20倍)に接近してきたことで、リバランスの動きが入りやすくなりそうだ。リバランスを意識しつつも、押し目ではNTロングでのスプレッドを狙ったポジションの組成に向かわせそうである。

株探ニュース

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