株価指数先物【寄り前】 まずは4万5000円固めを見極めたいところ

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 45050 +320 (+0.71%)
TOPIX先物 3136.5 +18.5 (+0.59%) 
シカゴ日経平均先物 45005 +275
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 19日の米国市場は、NYダウ、 S&P500https://us.kabutan.jp/indexes/%5ESPX/chart、ナスダックの主要な株価指数が上昇した。米連邦準備理事会(FRB)は17日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決め、年内2回の会合で0.25%ずつ利下げをするとの見方が引き続き買いに向かわせた。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は電話協議を行い、「TikTok」の米国事業売却の問題について最終的な合意には至らなかったものの、今後も対話を続ける姿勢を示したことも材料視された。

 S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、自動車・同部品、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、耐久消費財・アパレル、エネルギー、食品・生活必需品小売が下落。NYダウ構成銘柄では、アムジェン、アップル、マイクロソフト、ジョンソン・エンド・ジョンソンが買われた。半面、ナイキ、シェブロン、ウォルマート、ウォルトディズニーが軟調。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比275円高の4万5005円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比100円高の4万4830円で始まった。寄り付きを安値にロング優勢の流れとなり、4万5100円まで上昇。米国市場の取引開始後に4万4840円まで上げ幅を縮めたが、中盤以降は4万4900円から4万5050円辺りでの保ち合いを継続し、4万5050円でナイトセッションの取引を終えている。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。日銀は19日の金融政策決定会合で政策金利を据え置く一方、保有する上場投資信託(ETF)の売却を決定した。これがトリガーとなってショートが入り、一気に4万4250円まで急落する場面もみられた。終盤にかけてカバーが入ったことで4万4730円まで下げ幅を縮めて終えたが、4万5000円を上回る局面では売り買いが交錯しやすくなっただろう。

 日経225先物は19日の荒い値動きでは4万5660円まで買われ、ボリンジャーバンドの+3σ(4万6070円)が意識された後に、+1σ(4万4130円)に接近する形だった。バンドは上向きで推移しているが、+2σ(4万5310円)が抵抗線として意識されそうだ。そのため、節目の4万5000円での底堅さがみられたとしても、+2σに接近する局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。

 一方で、きょう自民党総裁選挙が告示される。各候補の財政政策姿勢や成長戦略に対する市場の関心が集まると考えられ、積極的なショートを仕掛けにくくさせよう。4万5000円固めから+2σとのレンジが意識されやすく、オプション権利行使価格の4万4875円から4万5375円でのレンジを想定する。

 日銀のETF売却については市場が吸収できない規模ではないと考えられ、動揺は一時的とみられるが、神経質にさせる要因である。戻りの鈍さがみられるようだとショートを誘い込みやすいほか、祝日を挟むことでポジションを傾けてくる動きは考えにくく、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。そのほか、大きな変動によってレバレッジ型ETFによるヘッジ対応の動きなども警戒されてくる可能性には注意しておきたい。

 19日の米VIX指数は15.45(18日は15.70)に低下した。18日には14.38まで下げて25日移動平均線(15.40)を割り込んだ後に切り返しており、この流れから16.13まで上昇する場面もあったが、その後下げに転じた。ボトム圏での推移であるが、足もとでやや変動幅が大きくなっている点は、神経質にさせそうである。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。一時14.47倍まで上げる場面もみられ、1月高値の14.54倍に接近。ただし、日銀会合後にリバランスの動きが強まり、一時14.23倍まで下げて+2σ(14.32倍)を割り込む場面もあった。物色対象の変化が意識されるなか、+2σを明確に割り込んでくるようだと、リバランスの動きが強まる可能性はありそうだ。

株探ニュース

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