貴金属は、金、プラチナが大幅高を維持して寄り付く見通し。金はニューヨーク高を 受けて買い優勢を予想。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナが上伸となったニュー ヨークに追随高となりそうだ。金、プラチナ市場は出来高を伴った上伸場面。利食い売 りを吸収し、大幅高で推移か。 銀は玉の出方次第だが、ニューヨーク銀の高値更新から、概ね買い優勢か。 午前7時58分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は50.80ドル高 の3765.40ドル、銀が39セント高の4408セント、プラチナが56.62ド ル高の1479.30ドル、パラジウムは51.15ドル高の1216.38ドル。 午前7時58分現在のドル・円相場は1ドル=147.62/64円で、前営業日の 大引け時点から0.40円の円高。 先限の寄り付き目安は、金が1万8040円前後、銀は213.0円前後、プラチナ は6505円前後、パラジウムは5600円前後。 【FRB議長は利下げに慎重と見られるも逃避買い需要は底固い】 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日に東部ロードアイランド州で 行われた講演において、今後の利下げに関し、利下げを実施すれば景気を刺激し雇用の 回復を図れる可能性がある一方で、利下げによる物価高止まりの可能性にも触れ、利下 げを実施してもしなくてもリスクがあるとの見方を示したうえで、今後の利下げに関し ては、高まる継続利下げ見通しに反し慎重視する姿勢を見せている。 それでもウクライナの無人攻撃機によるモスクワ攻撃の激化などの地政学不安が高ま っていることや、雇用の軟化傾向が続くなかでのインフレ加速化懸念くすぶる米経済へ の不安感、そしてトランプ関税をめぐる裁判や米財政不安など、米経済および財政をめ ぐる懸念がくすぶっているだけに金に対して安全資産を求める動きが根強く見られるこ とになろう。 9月の米総合購買担当者景気指数(PMI)・速報値は53.6で低下しながらも拡 大と縮小の境目となる50を依然として上回っていることが好感されている。 ただ、米個人消費は上位富裕層の購買意欲に支えられているという指摘もあり、雇用 軟化が警戒されるなかでの今後の消費動向が注目されるところ。26日には8月個人消 費支出が発表されるが、その内容次第では安全資産を求める動きがさらに強まる可能性 がある。 JPX金先物は夜間取引で1万8178円まで上伸し、さらに上場来高値を更新。高 値を離れ、1万8046円で夜間取引を終えた。日中取引は1万8000円割れは買い 拾われ展開か。 銀は23日の海外市場は、金堅調につれ高となった。 【プラチナは金に対する割安感などから上伸】 プラチナは23日の海外市場は、金に対する割安感や供給不足懸念から続伸した。 プラチナは金が一代の高値を更新する場面が続いたうえ、中心限月の12月限は 3700ドル台に達する一方、NY白金10月限は1400ドル台でのこう着状態が続 き、金との値開きが拡大していることが意識された。23日の取引では目先の高値に 迫る1450.50ドルまで値を切り上げる場面も見られたが、金との連動制や供給不 安という独自の要因から1450ドル台を終値ベースで記録する可能性が高まってい る。 JPXプラチナ先物は夜間取引で6661円まで上伸し、先限として2008年7月 以来の高値をつけた。上げ幅を縮小し、6511円で夜間取引を終えた。日中取引では 6500円割れで新規買いが喚起されるかに注目。 <今日の予定> ◆ アメリカ ◆ 【経済】20:00 住宅ローン申請指数(MBA) 【経済】23:00 新築住宅販売 2025年8月(商務省) 【工業】23:30 週間石油統計(EIA) MINKABU PRESS 東海林勇行
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