プラチナ週間展望=堅調、米利下げ見通しや金上昇で踏み上げの動き

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [9月29日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2026 年  8 月限  9 月 22 日〜 9 月 26 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          17,549    18,272 (26)   17,526 (22)     18,218         +723
  銀           198.8     214.9 (26)    198.8 (22)      213.0        +13.2
 プラチナ       6,200     7,163 (26)    6,196 (22)      7,157         +947
 パラジウム     5,600     5,800 (26)    5,600 (22)      5,800         +200
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        26  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       (12)  3,809.0   +103.2   | ドル・円    149.76      2.30 円安
  銀       (12)  4,665.6   +370.4   | 日経平均  45,354.99      +309.18
 プラチナ   ( 1)  1,613.8   +171.7   | NY原油 (11)  65.72        +3.32
 パラジウム (12)  1,311.10  +141.50  |* ドル・円は15時45分現在、原油は 26日
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【前週のレビュー】
 プラチナはドル高も米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しが下支えでもみ合
い、とした。
 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しや金堅調を受けて一段高とな
った。現物相場は2013年8月以来の高値1551.38ドルを付けた。プラチナ先
限は2008年5月以来の高値7163円を付けた。一方、パラジウムの現物相場は7
月30日以来の高値1260.51ドルを付けた。
 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、雇用の伸びの弱さが労働市場の健全性
に対する懸念につながるなか、インフレが想定以上のペースで加速するリスクは継続し
ているとし、FRBは難しい舵取りを迫られていると述べた。一方、ミランFRB理事
は移民政策や税制、規制の変更により、米実質中立金利は低下する見込みで、現行の金
融政策は引き締め過ぎという認識を示した。同理事が先週の米連邦公開市場委員会(F
OMC)で0.25%ポイントの利下げに唯一反対票を投じ、0.50%ポイントの利
下げを主張した。第2四半期の米国内総生産(GDP)確報値は年率換算で前期比
3.8%増と改定値の3.3%増から上方改定された。輸入の減少と個人消費の増加に
押し上げられた。米新規失業保険申請件数は1万4000件減の21万8000件とな
り、事前予想の23万5000件を下回った。ただCMEのフェドウォッチでは、
10・12月の米FOMCでの利下げが織り込まれ、利下げ見通しが強い。
 米ホワイトハウスは連邦政府機関に対し、政府機関が来週閉鎖されるリスクに備え、
大量解雇の計画をまとめるよう指示した。米行政管理予算局(OMB)は、議会がつな
ぎ予算案を可決しない場合、10月1日に裁量的予算が失効するプログラム、プロジェ
クト、活動を特定するよう求める文書を各政府機関に送付した。OMBは文書で「義務
的支出で賄われないプログラムが、閉鎖の矢面に立つことになる」とした。米大統領
は、つなぎ予算策定を巡る民主党の議会指導部との会談予定をキャンセルした。民主党
側は、つなぎ予算案に幾つかの医療関連歳出を盛り込むべきだと主張している。
【欧米のプラチナ・パラジウムETF残高が増加】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、24日のロンドンで11.06トン
(前週末10.53トン)、25日のニューヨークで37.08トン(同36.80ト
ン)に増加、23日の南アで8.08トン(同8.14トン)に減少した。またパラジ
ウムETFの現物保有高はロンドンで5.27トン(同5.18トン)、ニューヨーク
で15.11トン(同14.54トン)に増加、南アで0.33トン(同0.36ト
ン)に減少した。欧米のプラチナ・パラジウムETF残高が増加した。プラチナが一段
高となるなか、テクイカル要因の買いが入った。一方、米商品先物取引委員会(CFT
C)の建玉明細報告によると、9月16日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家
の買い越しは1万5203枚(前週1万4356枚)、パラジウムの売り越しは
4012枚(同3742枚)に拡大した。
【WPICは医療分野での需要堅調を指摘】
 ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)によると、医療分
野でのプラチナの需要堅調が伝えられた。2013年以降、医療分野におけるプラチナ
需要は年率3%と安定して増加している。2024年には医療分野のプラチナ需要は総
需要の4%を占め、4年連続で増加して9.6トンに達した。今年、医療分野のプラチ
ナ需要はさらに4%増加し、10.0トンに達すると予想されている。WPICは
2023年以降、3年連続で供給不足の見通しとなり、今後の展望では2029年まで
供給不足が続くとみている。一方、欧州自動車工業協会(ACEA)によると、8月の
欧州連合(EU)の新車(乗用車)登録台数は前年同月比5.3%増の67万7786
台となった。1〜8月は前年同期比0.1%減の716万8848台となった。
当面の予定(イベント・経済統計)
29日 米中古住宅販売仮契約指数 2025年8月(全米不動産協会)
30日 鉱工業生産指数 2025年8月速報(経済産業省)
    小売業販売額 2025年8月速報(経済産業省)
    中国製造業購買担当者景況指数 2025年9月(中国物流購買連合会)
    中国非製造業購買担当者景況指数 2025年9月(中国物流購買連合会)
    中国製造業購買担当者景況指数 2025年9月(RatingDog)
    中国サービス業購買担当者景況指数 2025年9月(RatingDog)
    キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行)
    英国内総生産 確報値 2025年4-6月期(国立統計局)
    独雇用統計 2025年9月(連邦雇用庁)
    独消費者物価指数 2025年9月速報(連邦統計庁)
    米ケース・シラー住宅価格指数 2025年7月(S&P)
    シカゴ購買部協会景気指数 2025年9月(シカゴ購買部協会)
    米消費者信頼感指数 2025年9月(カンファレンスボード)
 1日 ●中国・香港(国慶節)
    短観 概要及び要旨 9月調査(日本銀行)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年9月確報(Markit)
    ユーロ圏消費者物価指数 2025年9月速報(EUROSTAT)
    全米雇用報告 2025年9月(ADP)
    米製造業景況指数 2025年9月(ISM)
 2日 ●中国(国慶節)
    ユーロ圏雇用統計 2025年8月(EUROSTAT)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米耐久財受注 2025年8月確報値(商務省)
    米製造業新規受注 2025年8月(商務省)
 3日 ●中国(国慶節)
    労働力調査(失業率) 2025年8月(総務省)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年9月確報(Markit)
    米雇用統計 2025年9月(労働省)
    米非製造業景況指数 2025年9月(ISM)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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