【本日の見通し】米政府機関閉鎖の可能性強まる 9月30日の米会計年度末を前に、新会計年度での予算の議会合意が難航。連邦政府機関閉鎖の可能性が高まっている。共和党は11月21日までのつなぎ予算を提案し、過半数を確保している下院で19日に可決した。しかし上院では過半数ではなく60議席の賛成が必要となっており、同日同予算を否決。民主党側の予算案も否決されており、合意に向けた交渉が続いている。民主党側はトランプ減税で廃止したメディケアの廃止撤廃を求めており、財政負担拡大を嫌気する共和党側との溝がかなり深くなっている。合意が難しい状況となっており、連邦政府機関の一部閉鎖が行われる可能性が高い。 連邦政府機関の一部閉鎖は米予算をめぐる攻防で風物詩となっているほど話題に上るものであり、近年では2018年にも閉鎖されたことがある。各機関は閉鎖におけるマニュアルなども整備されているとされているが、トランプ政権発足後、マニュアルの変更が行われており、予想を超える混乱が生じる可能性が意識されている。 こうした状況がドルの上値を抑える可能性がある。政府機関の閉鎖においては米労働統計局は完全閉鎖の対象と示されており、金曜日の雇用統計をはじめとする一連の指標の発表は延期となる。さらに閉鎖がある程度の期間に及ぶと、消費者物価指数、生産者物価指数なども発表が遅れる可能性がある。これらの状況は米FRB(FRBは閉鎖の対象外)の利下げ判断にも影響を与える可能性があり、市場の混乱が広がる可能性がある。 ドル円は148円台を中心に上値の重い展開となりそう。先週後半に149円90銭台を何度か付けるなど、それまでドル高基調が優勢となっていたこともあり、ここからの売りには少し慎重な姿勢が見られるが、戻りでは売りが出る展開が見込まれる。 ユーロドルは1.17台半ば超えまで一時上昇も、上値から少し売りが出た。ポンドドルは1.3450超えまで一時上昇。対欧州通貨でもドル売りの流れが強まった。こちらも行き過ぎた動きには警戒感も、ECB、英中銀共に政策金利当面据え置きの期待が広がっていることもあり、欧州自体の材料への反応が鈍く、ドルの動きに左右されやすい。米政府機関閉鎖をめぐる状況を確認しながらの展開。 ユーロ円はドル円の下げが重石で174円を割り込む場面が見られた。ドル主導の動きだけにやや不安定な動きも、ドル円の重さから、戻りでは売りが出そう。ポンド円も上値の重い展開。ごく短期的には200円ちょうど前後が重くなっており、199円台での推移から下方向のリスクを意識する展開となりそう。 13時半の豪中銀政策金利は据え置き見込み。9月3日に発表された第2四半期GDP、9月24日に発表された8月の豪月次CPIの強さもあり、今回の据え置きはほぼ確実という見方が強い。据え置きと利下げで見通しが分かれる11月の会合に向けて、声明などが注目される。 MINKABUPRESS 山岡
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