【前週のレビュー】ニューヨーク原油11月限は9月26日の66.42ドルを目先の 天井としてその後は大きく崩れて、10月2日には60.40ドルの安値を付けた。 21日のボリンジャーバンドの−2シグマ(60.53ドル辺り)を試しているが、目 先は60ドルの節目で支持されるか否か、それを割り込むと、一代高値から78.6% 押しに当たる58.23ドル辺りまで下げ余地が拡大することになる。ただ、日柄的に は7日が満月のため、その辺りで目先の底入れする可能性も考えておきたいとした。 【NY原油11月限は再び60ドル台維持が焦点か】 ニューヨーク原油11月限は結局、60.40ドルの安値を割り込まずに反発した が、63ドルの節目や21日移動平均線(62.80ドル辺り)が上値抵抗となる形 で、8日の62.92ドルを戻り高値として再び反落している。 本稿執筆時の10日午後には61ドル台前半で推移しており、21日のボリンジャー バンドの−1シグマ(61.47ドル辺り)を割り込んでいる。このまま下落すれば、 2日の安値である60.40ドルを維持できるか否か、それを割り込むと、60ドルの 節目で支持されるか否かが焦点となる。仮にそのまま60ドル台を割り込むと、一代高 値から78.6%押しに当たる58.23ドル辺りまで下げ余地が拡大することにな る。 材料的には、5日の石油輸出国機構(OPEC)プラスの主要8カ国によるオンライ ン会合では、11月の日量13万7000バレル増産で合意したが、一部では同50万 バレル増との見方もあって、事前に弱気を囃し過ぎていたことで週明けに反動高となっ た。まさに「事実で売る」ならぬ「事実で買う」展開。また上昇局面では、ウクライナ の執拗なロシアの石油施設攻撃で、ロシアからの供給懸念が急浮上していることが買い 材料となった。しかし高値圏では、米エネルギー情報局(EIA)の週報で原油在庫が 増加していたことが上値を抑えて、その後はイスラム組織ハマスとイスラエルがガザ停 戦の第1段階で合意したことでリスクプレミアムが剥げる形で反落する展開となってい る。 今後の展開としては、11月限が納会までまだ日柄を残していることを考えると、こ のまま「売り攻め」される可能性が高そうだ。13日からの週には、13日にOPEC が、14日には国際エネルギー機関(IEA)がそれぞれ月報を発表するが、相対的に 強気の見通しを発表する前者が無視されて、相対的に弱気な見通しを発表する後者が売 り口実となる可能性も考えておきたい。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は引き続き4万6000ドル台で推移 して、過去最高値圏を維持している。 ドルインデックスは再び基調を知読めて、99ポイント台まで上昇している。 【米政権、イラン産原油や石油製品の取引で中国に制裁】 その他のニュースとして、トランプ政権が9日、イラン産原油や石油製品の取引を支 援したとして、中国の独立系製油所や積み出しターミナルを含む約100の個人、団 体、船舶に制裁を科したと発表した。制裁対象には、2023年以降イラン産原油を数 百万バレル買い付けた独立系製油所や原油を秘密裏に輸送する「影の船団」を10隻以 上受け入れた業者が含まれている。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である3月限は4営業日陽線引けして、ボリンジャーバンドの1シ グマ(6万1510円辺り)を試したものの、10日に陰線引けして、21日移動平均 線でもある中心線(6万0430円辺り)まで反落した。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油11月限はボリンジャーバンドの−2シグマ(60.14ドル辺 り)からの戻りも中心線(62.81ドル辺り)に跳ね返されて、9日には−1シグマ (61.47ドル辺り)を試した。 ブレント原油12月限もほぼ同様の展開。ボリンジャーバンドの−2シグマ (63.91ドル辺り)からの戻りも中心線(66.51ドル辺り)に跳ね返されて、 9日には−1シグマ(65.21ドル辺り)を割り込んだ。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。