【前週までのレビュー】産地相場がジリ安で推移していることに加え、米国株に高値警 戒感が広がっていたことを受けて、一段安の可能性があるとみた。 【戻り売りに注意、305円を割り込むと下げが加速か】 JPXゴムRSS3号の活発限月3月限は、急激な円安を手掛かりに買いが先行して いる。10月3日まで需給緩和観測を背景にジリ安調の展開となっていたため、売り玉 が溜まっていたとみられる。6日以降の急激な円安を受けて、このポジションの巻き戻 しが進み、活発限月の3月限は315円台まで上昇した。ただし、同水準では上値が重 く、ゴム独自のファンダメンタルズには変化がないことから、円安局面が一服した際の 戻り売りには注意が必要だろう。反落となれば、305円付近が支持になるとみるが、 同水準を割り込むと売りが加速しそうだ。 【ドル円相場の動きに注目】 高市氏の自民党総裁就任を受けて、同氏が財政拡大路線に踏み切るとの思惑から円が 売られている。ドル・円は、1ドル=151円付近のチャートポイントを突破し、次の 上値目標として2月12日の高値154.80円や節目の155.00円が意識され る。現水準から2円以上の円安水準であるうえ、9日まで6連騰となっていることか ら、同水準に到達するには時間が掛かるとみる。また、テクニカル的にも、21日移動 平均線とのかい離率画3%前後に達しており、反落の可能性が高い。 ただ、直近の値動きをみると、タガが外れているようにも見受けられる。この背景に は、米政府機関の一部が閉鎖されているため米経済指標が発表されていないことや、高 市氏の首相指名が20日以降なる可能性があるため、日米両政府から相場を反転させる ような材料が出てこないことが挙げられる。現状、NY勢の円売りの仕掛けが相場を先 導している。突飛高には注意しておきたい。、 【上海ゴムは1万5500元の攻防に注目】 9月から取引が再開された上海ゴムは、買いがやや先行している。中心限月の1月限 は、大型連休前、最後の取引となった9月30日に1万5020元まで下落したが、1 万5180元まで戻して引けた。日足は下ヒゲの長い陰線となり、節目の1万5000 元割れも回避したことから、9日は買いが先行し、1万5445元まで上昇、翌10日 には、1万5480元まで水準を引き上げた。ただ、同水準では上値がやや重くなっ た。節目の1万5500元突破が最初の関門になる。天然ゴム需給は、目先、緩むこと が予想される。戻り売りには注意が必要だろう。 【東京ゴム活発限月の3月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の3月限は、買いが先行する展開となった。9月以降の値 動きを確認すると、9月5日に322.0円に水準を引き上げると、その後は上海安を 背景に徐々に水準を引き下げ、同月18日は309.3円で下落した。同月25日に3 13.8円まで戻したが、29日からは産地安を手掛かりに売りが加速し、10月3日 の夜間取引には295.8円まで水準を引き下げた。だが、同月4日の自民党総裁選で 高市氏が当選すると、財政拡大路線への思惑が広がり、6日のドル・円が3日のNYク ローズに対し、1円60銭以上ものドル高・円安となる149円台前半で始まると、こ れを受けて、JPXゴムRSS3も反発を開始、同日に305円台上昇すると、その後 も円安の進行と共に水準を引き上げ、10日は315円台まで上値を伸ばしている。 一段高となれば、節目の320円が最初の関門。同水準を上抜くと、8月26日の高 値322.0円や節目の325.0円が視野に入る。これを上抜くと、7月23日に付 けた一代の高値331.0円を試そう。一方、反落するようなら、節目の310円が支 持になる。同水準を割り込むと、節目の305.0円や300.0円を意識した展開に なるとみる。 【今週の注目ポイント】 ドル・円相場に注目したい。高市氏の自民党総裁就任以降、円安が急速に進んでい る。目先、目先、円の調整高場面が訪れる可能性もあるので注意したい。 【相場予想レンジ】 10月13〜17日のJPXゴムRSS3号3月限の中心レンジ予想は285〜32 0円前後。テクニカルの支持線295円(節目)、抵抗線は315.0円(節目)。 ※米政府機関閉鎖の影響で米経済指標の発表が延期になる可能性があります。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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