ドル円はその後も買い戻しが続いており、152円台半ばまで戻している。円安も去ることながら、ドル高の動きもドル円をサポートしている。本日の市場は、トランプ大統領による中国への大幅関税の新たな警告を受け流し、むしろ米中両国間での貿易合意の可能性に焦点を当てており、為替市場はドル高で反応している。 トランプ大統領が金曜日に突如発した、中国製品への関税を大幅引き上げの警告は、ドルを急落させた。これは今年初め、ホワイトハウスの通商政策発表が市場を混乱させ、ドルが過去50年間で最悪の上半期のパフォーマンスを記録した時の展開を思い起こさせるものだった。しかし、その後、トランプ大統領とバンス副大統領は週末の発言で、今後の通商交渉に前向きな姿勢を示した。さらにベセント財務長官はきょう、「トランプ大統領は今月末、韓国で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議で、習近平国家主席と会談する見通しに変わりはない」と述べた。APEC首脳会議は欠席の意向。 アナリストは次のように分析している。「市場は金曜のニュースに反応せざるを得なかったが、多くの投資家はこれを“TACO”(トランプは結局引き下がる)”のパターンと見ている可能性がある。トランプ政権は今回の交渉で、中国からのレアアース輸出を増やすための駆け引きを狙っているのだろう」と述べている。 同アナリストはさらに、「4月の再現ではない。その時はトランプ大統領の“リベレーション・デー関税”の発表を受けてドルが4%急落し、2年超ぶりに月間で最悪のパフォーマンスとなった。今回は、市場のコンセンサスがすでにドルショートに傾いており、ヘッジも事前に取られているため、同じ展開にはなりにくいという。 もっとも、最新の為替オプション動向によると、トレーダーは短期的にはドルに弱気姿勢を取っている一方、長期的な見通しについては比較的楽観的なスタンスを維持している。 USD/JPY 152.33 EUR/USD 1.1563 GBP/USD 1.3325 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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